昨日に引き続き、加藤俊徳氏の脳科学に関する書籍を採り上げたい。本書は、脳をトレーニングによって強化するための具体的な方法が書いてあって分かりやすい。
著者は脳番地という考え方を提唱しており、8つの脳番地グループごとに強化法を紹介している。それぞれの脳番地は連携することにより、大きく成長する性質を持っている。
脳を理想の形につくり変えるには、脳を刺激する以下の3つのポイントが重要だ。
1.日常の習慣を見直す
2.脳の「癖」を知る
3.「したい思考」で発想する
とくに2番目の、脳の「癖」を知ることは大きなポイントだ。脳には大きく2種類の「癖」がある。全ての人に共通する「癖」と、各人に固有の「癖」だ。
共通する「癖」は以下の4つだ。
1.褒められると喜ぶ
2.数字でくくると認識しやすい
3.デッドラインを設けることで、オン・オフが明確になる
4.睡眠によってパフォーマンスが高まる
この4つの脳の「癖」を知って、その特性をうまく活用することは重要だ。世の中の成功哲学本などは、この万人に共通する脳の「癖」を活用したものであることが多い。
そして、いやいや取り組む「やらされ思考」ではなく、自ら進んで行う「したい思考」で行動することで、脳は高いパフォーマンスを発揮する。これは意欲も含めてとても大きい。
この後、本書では、8つの脳番地グループごとの脳強化のトレーニング法が述べられている。どれも参考になる実践的なトレーニングだ。自分の成長に悩む若者、衰えを感じ始めた中高年ビジネスマン、その他全ての人に読んでほしい名著だ。