佐藤良仁氏は、広告制作会社役員等を経て、現在は計11社のコーチング顧問として活動するかたわら、クリエイティブ系専門学校の非常勤講師4校、教育機関・学生・企業向けのセミナー講師も行っている。
本書は、50歳以降の新しい働き方として、「非常勤顧問」 という第三の選択肢を提案している。定年後の転職が第一の選択、定年後の起業が第二の選択だが、いずれも道は険しい、と著者は説く。
本書によれば、以下のような社会環境が到来したために、「顧問」 という新しい働き方、稼ぎ方が可能になったという。
1.情報通信技術の発達、とくにインターネットの活用によるマッチング機能の進化
2.少子高齢化が世界一急速に進む日本で、50歳代以降の 「知見・経験・人脈」 のニーズの高まり
3.グローバル化、複雑化する現代経済社会において、高まるコミュニケーション能力の強化
顧問という働き方は、大きな初期投資もいらない、ローリスク・ミドルリターンの仕事だ。定年退職して、まだ現役で働きたい50代、60代、70代のビジネスマンOBにとって理想の働き方だと、本書は提言する。
非常勤顧問という形態であれば複数のクライアント企業と契約することも可能だ。本書では、具体的な顧問の活躍事例を数多く紹介しているが、顧問業は次の4つのスタイルに分かれる。
1.紹介と商談が中心の社外支援スタイル
2.アドバイス中心のコーチングスタイル
3.管理を委託されるマネジメントスタイル
4.提案を委託されるプレゼンスタイル
場合によっては、上記2と3が混在するなど、企業のニーズによって様々な形態がある。
生涯現役で社会への貢献を考えている定年退職者や早期退職者の方々には必読の書だろう。フリーで仕事をすることに興味があるビジネスマンにもぜひ薦めたい一冊だ。