上田渉氏は、NPOの立ち上げ、IT企業の経営を経て、現在は日本最大のオーディオブック事業者である株式会社オトバンクの代表取締役社長だ。
本書は、上田氏の実際の経験や工夫をもとに、ノマド出張仕事術のノウハウを具体的にまとめた本だ。便利なガジェットやスマーットフォン・アプリなどの紹介が分かりやすく書いてあってすぐに役立つ点がポイントだ。
まず、ノマド出張を支える 「三種の神器」 として、著者は以下の3つを挙げている。
1.ノートパソコン (著者はパナソニックのレッツ・ノート)
2.スマートフォン (著者は i Phone )
3.B5ノート (著者は i Pad で代用)
ノートパソコンについては、軽量であることが第一で、レッツ・ノートは1 kg 以下だ。ノマド出張では持ち運びのしやすさと、消費電力頑丈なボディ、防水などの機能が重要で、その点でもレッツ・ノートは優れている。
スマートフォンは、①電話やメール、②スケジュール管理、③メモした情報をノートパソコンと同期(共有)する、といった意味で必須のアイテムだ。i Phone の良さは使えるアプリの豊富さにあり、シンプルな操作性の良さもポイントだ。
ノートはB5版の小さめで持ちやすいサイズがお薦めで、外見の配慮も重要なので、著者はモレスキン(高級感あり)とペリカン社のペンを推奨している。但し、最近は i Pad などタブレットPCがメモ・ツールとしても歳強になってきており、手書きアプリケーションはノートと変わらない使いやすさだ。
さらにメモした内容がデジタルで保存されるため、そのままメール送付したりもできて、紙のノートを超える便利さだ。これらガジェットが揃えば、クラウドの各種サービスを使うことで、どこにいてもオフィスと変らない仕事環境が設定できる。
クラウド・サービスを利用するにはインターネットに接続できる環境を確保することが重要で、著者は以下の出張シーンごとにノウハウを開示している。
1.新幹線利用法
2.飛行機利用法
3.車利用法
4.宿泊先(ホテル)の選び方
5.セキュリティ対策
ノマド出張術としては、移動時間の活用がキーになっており、移動空間を自分なりにカスタマイズしたり、仕事に集中できる環境を作り上げたりするノウハウがある。
本書の巻末には、お薦めのガジェット、アプリ、地域ごとのお薦め駅弁まで掲載されていて、具体的な行動が取りやすいよう配慮されている。
ノマド・ワーカーとして自由なライフスタイルを目指す人はもちろん、出張の多い全国展開する会社のビジネスパーソンにはぜひ読んでほしい一冊だ。