小林一雅氏は、東京大学法学部を卒業後に大手保険会社に入社。その後、スタンフォード大学ビジネススクールにてMBAを取得した。
近年、我が国IT企業の代表である楽天やユニクロを世界展開するファーストリテイリングで英語を社内公用語とする改革がなされ、大きな反響を呼んでいる。
英語公用語化までは踏み切らないまでも、TOEICを中心にビジネス英語力を重視する日本の会社は急激に増加している。
今後は特に、日本の少子高齢化による労働力不足や、経済・社会のグローバル進展に伴い、ビジネス英語力は一層、重要視される時代になるだろう。
そうした中で、本書は多くの悩める日本企業に大きなヒントと勇気を与えてくれる。会社全体の英語力をいかに上げていくかという、通常採り上げられないテーマが主題となっている。
構成は以下の通りだが、ユニークな取り組みとなっている。
1.組織英語力とは何か
2.英語化プロジェクトの進め方
3.メニューの紹介
メニューについては、実践的な内容となっている。例を挙げれば下記のようになる。
1.日英用語集の作成
2.社内規定・マニュアルの英語化
3.広報誌の英語化
4.社内表示の英語化
5.英語版イントラネットの構築
6.社内英語会議
7.英語版文書マニュアルの作成
8.翻訳体制の整備
本書の後半では、組織英語力を作っていく上での4つのポイントを述べている。以下の4点だ。
1.規則(ルール)と方針(ガイドライン)
2.外国人社員の意見を聞く
3.ポスト英語化プロジェクト(メンテナンスと発展的改組)
4.部門別の英語化の傾向と対策
最後に、組織人として英語化に取り組む心構えや雑感が書かれていて参考になる。グローバル対応のため、組織英語力を高めていくリーダーの皆さんにぜひ本書を推薦したい。