混迷の時代には、「生き方指南」を求めたくなります。そんな方にピッタリの書を今日は紹介します。能楽師(下掛宝生流:ワキ方)の安田登さんが書いた、こちらの書です。
安田登『身体感覚で「論語」を読みなおす』(春秋社)
この本は、古来日本人の教養・考え方の基本にあった『論語』の核心を、孔子時代の文字と身体作法の視点から解き明かした力作です。
2000年以上も読み継がれる『論語』の力
著者が仕事にしている「能」は600年も続いているということで、ブランドという視点からマーケティングの分野では注目されているそうです。
そういう意味からすると、中国の『論語』は2000年も読まれ続けていて、まさに奇跡だということです。『論語』は古典としてだけではなく、ビジネス書としても、教育書としても、自己啓発本としても読まれています。
そうした問題意識のもとで、著者の安田さんは、『論語』を「心のマニュアル」として、読み直しています。そのために以下の2つの方法を用いています。
1.孔子の時代である古代中国の文字に直して読む
2.自分自身の身体感覚で読む
「40にして惑わず」は別の解釈が妥当
『論語』の中には、実は孔子の時代にはまだ生まれていなかった漢字で書かれている部分があります。
その代表的な箇所が、「40にして惑わず」、いわゆる「不惑」という箇所です。実は「惑」という漢字は、孔子の時代にはまだ誕生していません。
したがって、孔子は「40にして惑わず」とは言わなかった可能性が高いことになります。そうだとすれば、孔子は何と言ったのでしょうか。
「惑」という漢字はなかったが、「域」ならありました。そもそも「心」という概念が、500年前くらいにできた新しい概念で、「惑」の下の部分にある「心」は、孔子の時代には存在しません。
さて、「不域」ということだと、境界に囚われずに生きる、ということで、むしろ「不惑」の反対の意味になってきます。そうした新たな解釈が『論語』にはあると言うことです。
本書は7部構成で『論語』を解き明かす
本書は以下の7部構成から成っています。
1.からだで読む『論語』
2.論語世界との新たな出会い
3.「命」の世界
4.孔子学団に入門する-学とは何か
5.「詩」-抒情世界に本質は宿る
6.「礼」-魔術とマニュアル
7.「心」-このまったく新しい世界
本書は、改めて古典の『論語』を読み直すことで、「心のマニュアル」として新たな解釈を提示している画期的な書です。
あなたも本書から、この新たな『論語』の解釈を学び、自分の人生に活かしていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!