「効率も大事だけど、それだけでは人生は楽しめない。」と訴えている書があります。本日紹介するのは、齋藤孝さんが書いた、こちらの新書です。
斎藤孝『最強の人生時間術』(祥伝社新書)
この本は、人生を「タイムマネジメント」するために書かれた書です。若いうちは時間が足りない一方で、定年退職後は時間が余って仕方がないなど、時間に関する悩みは尽きません。
この原因は、多くの人が時間を「人生」という単位で考えていないからだ、と著者は言います。本書によれば、「人生とは “ いつ終わるかわからない時間 ” をどう管理するか」であり、人生のステージに応じて時間をギアチェンジする技術が必要になる、ということです。
本書では人生を、ヒンドゥー教の「四住期」にならって、独自に次の4つ、「新・四住期」に分けて考えてることを提唱しています。
1.狩猟期 (30歳~45歳)
2.ダブルスタンダード期 (45歳~60歳)
3.円熟期 (60歳~75歳)
4.ゼロ出力期 (75歳~)
上記の人生ステージに応じた時間の使い方を考えるのが本書の中心です。効率的に時間を使う技術から、ゆったりと時間を楽しむ方法まで、時間を生み出し、同時に人生をデザインする方法を実践することで、人生がより豊かなものになる、というのが本書の提案です。
本書は以下の3部構成になっており、2部と3部がそれぞれ2つに分かれています。
1.人生の「新・四住期」と二種類の時間術
2.時間を「生み出す」技術
3.時を「過ごす」技術-人生のゴールデンタイムを見つける
本書のユニークなところは、人生を4分割する時に、通常の0歳からではなく、30歳をスタートにしている点です。理由は、20代までは時間のことなど考えずにガムシャラに吸収・活動する時期だから、ということです。
確かに30歳というのは、結婚という節目の年齢で、仕事でも本格的なスタートに立つ年齢という意味で、実情に合った人生区分になっています。
まず最初の「30歳~45歳」の狩猟期は、仕事の技術を磨き、人脈を広げ、社会人として一人前になるために必要なことに集中的に時間を使うべき期間です。
したがって、スピードが重要で、ギアチェンジで時間を作り、メリハリをつけた効率的な時間の使い方を意識しなければなりません。自分の時間に他人を侵入させない、という技術も必要になります。
次の「45歳~60歳」のダブルスタンダード期は、今まさに私が過ごしている期間ですが、この時期は、①社会的には現役の生活をしながら、②プライベートでは後半生の準備も始めておく、という「ダブルスタンダード」の価値観を持つことが求められる、ということです。
そして、「60歳~75歳」の円熟期ですが、「たった一度の人生を自分はどのように再デザインしたいのか」を考えることが大切だ、としています。
これまでの人生とは別の価値観を優先することが可能になるため、うまく第二の人生にスライドすることができれば、自分の望む「人生の円熟期」になり得ます。
最後の「75歳~」のゼロ出力期は、時を「過ごす」ことで悟りに近づく時期でしょう。この時期は個人差も大きいのですが、「誰と最期の時を過ごすのか」ということが、QOL (= Quality of Life 人生の質)を考える上でとても重要です。
この時期に必要なのは、「時を過ごす時間術」だと著者は言います。日本には「やり過ごす」という言葉がありますが、積極的な意味で「時間をやり過ごす」ことも大事だ、ということです。
本書の「30歳からの人生を4つに分割して人生のタイムマネジメントをする」という考え方は、まさに私の人生設計とも同じコンセプトで共感しました。
とくに、ダブルスタンダード期である「45歳~60歳」の時期に、後半生の準備をしておくという考え方は、私が提唱する「定年前起業」にも通じるものがあります。
あなたも本書を読んで、今一度、自分の人生設計について考え直してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!