『60歳からのハローワーク』
「60歳を過ぎたら、もう働く場所はない」― そんな思い込みを、気持ちよく裏切ってくれる本があります。
本日紹介するのは、1962年東京都生まれ、雑誌・書籍編集者を経てライターとして独立し、政治・経済からスポーツ、文学まで幅広い取材を重ねてきた神舘和典さんが、自ら60代で “仕事探しの現場” に飛び込んだ体験を綴った、こちらの書籍です。
神舘和典『60歳からのハローワーク』(Hanada新書)
本書の魅力は、机上の空論ではなく、すべて実体験で語られている点にあります。63歳でハローワークに足を運び、清掃、交通、物流、観光、福祉、農業、果ては風俗関連まで―
「60代でも、こんなに仕事があるのか!」という現実を、ユーモアとリアリティたっぷりに描いています。
本書は、以下の15部構成から成っています。
1.63歳のハローワークデビュー【サービス業】
2.仕事探し その2 路線バス会社の見学会に参加【交通】
3.タクシー会社の面接を受ける【交通】
4.清掃車に乗って街のゴミを集める【サービス業】
5.伊豆の会員制ホテルでベッドメイク【観光】
6.大阪と神戸のラブホテルでバイブを消毒【風俗】
7.解体業のパトロール隊として出勤【建設】
8.宅配会社の倉庫で早朝に荷分け【物流】
9.栃木の山小屋でクマに怯えて歩荷【観光】
10.ソープ嬢を送迎する女性【風俗】
11.脳障害者のグループ・ホームで調理【福祉】
12.ファストフード店で店員【飲食】
13.取材文字起こしにトライ【出版】
14.オートレース場で警備【サービス業】
15.沖縄のマンゴー畑で悶絶【農業】
本書の前半では、「60代の仕事探しのリアル」が描かれます。主なポイントは以下の通りです。
◆ ハローワークは60代でも十分に機能している
◆ 求人は想像以上に多く、業種も幅広い
◆ 年齢よりも「体力」と「姿勢」が問われる
◆ 未経験OKの仕事が意外に多い
◆ まずは一歩、現場に出てみることの大切さ
この本の中盤では、著者自身が実際に働いた現場の体験談が続きます。主なポイントは次の通り。
◆ 清掃や物流の仕事は想像以上にハード
◆ 観光・ホテル業は人間関係が仕事を左右する
◆ 交通・警備系は責任感と集中力が重要
◆ 風俗・福祉など、社会の裏側も垣間見える
◆ 仕事を通して「自分の限界」が見えてくる
本書の後半では、「60歳から働く意味」そのものが浮かび上がってきます。主なポイントは以下の通りです。
◆ お金だけでなく、生活リズムを保つための仕事
◆ 社会とつながり続ける安心感
◆ プライドを捨てることで広がる選択肢
◆ 無理をしない働き方の見極め
◆ 仕事が「生きがい」に変わる瞬間
この本を読んで強く感じるのは、「60歳からの仕事は、正解を探すものではなく、試してみるもの」だということ。体力的にきつい仕事もある。合わない現場もある。それでも、「やってみたからこそ納得できる」ー その積み重ねが、60代以降の働き方を、自分のものにしていくのだと教えてくれます。
定年後の働き方に迷っている方、「まだ何かできるはず」と感じている方に、勇気と現実感を同時に与えてくれる一冊です。
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