「老後資金って、結局いくら必要なの?」「年金は本当に当てになるの?」――
そんな素朴な疑問に、丁寧で具体的に答えてくれる一冊があります。
本日紹介するのは、ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者)、社会保険労務士、経済エッセイストとして幅広く活動し、社会保障審議会の企業年金・個人年金部会委員や国民年金基金連合会理事なども務める専門家であり、『フリーランス大全』『妻のお金 新ルール』『私の老後のお金「答え」をください!』など多数の著書を持つ井戸美枝さんが著した、こちらの書籍です。
井戸美枝『私の老後のお金大全 一番シンプルで堅実な人生後半のお金の備えガイド』(日経BP社)
本書は、老後資金の「貯め方」「増やし方」「使い方」を、年金・iDeCo・NISA・働き方まで含めて体系的に整理した “人生後半のお金の完全ガイド” です。
20代・30代の早期備えから、40代・50代のリカバリー戦略、そして60代以降の取り崩し方まで――
どの世代が読んでも“今すぐできる具体策”がわかるよう設計されています。
著者のメッセージはシンプルです。「老後のお金は“勘”ではなく、“データと仕組み”で備える。」
5年に1度の年金制度改正(2025年改正)にも完全対応しており、最新の社会保障制度をもとに「人生100年時代の安心プラン」を描いています。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.老後の「お金不安」の正体を解明
2.将来の「私の年金」はどれくらい?
3.年金を増やすためのシンプルな方法
4.iDeCoとNISAで「自分年金」をつくろう
5.老後不安を最小化する年代別やることリスト
6.人生後半の幸福度を上げる「お金の使い方」戦略
本書の前半では、「老後不安の正体」および「年金の仕組み」をやさしく解き明かしています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 老後資金の平均目安はシングルで2,000万円、夫婦で3,000万円前後
◆ 「年金は当てにならない」は誤解、むしろ最強の終身収入
◆ 60歳以降も働ける時代、労働が “第二の年金” になる
◆ 医療費・介護費も「平均値」で見れば怖くない
◆ 不安の多くは「知らないこと」から生まれる
この本の中盤では、「もらえる年金を増やす」「自分年金をつくる」ための実践法を紹介します。主なポイントは次の通りです。
◆ 年金を年20万円増やす3つの方法(繰り下げ受給・長く働く・厚生年金加入)
◆ iDeCoとNISAを使えば “節税しながら増やせる”
◆ iDeCoでは「全世界株インデックス+債券」のバランス型が王道
◆ NISAは「長期・分散・積立」が基本、売買しない勇気がカギ
◆ 「自分年金づくり」は20代でも40代でも “今すぐ始めれば間に合う”
著者は、投資を “ギャンブル” ではなく “仕組みのある習慣” として位置づけ、
初心者でも安心して続けられるステップを丁寧に解説しています。
本書の後半では、「年代別の行動プラン」および「賢い取り崩し方」を示しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 20代:貯金より「仕組み投資」に慣れる時期
◆ 30代:家計を可視化し、固定費を削減して投資に回す
◆ 40代:「貯め期」のラストスパート、教育費との両立を工夫
◆ 50代:「リスク調整」と「取り崩しシミュレーション」を開始
◆ 60代:「年金+資産運用+就労」で3本柱を整える
さらに、取り崩し期の戦略として――
◆ 公的年金→NISA→iDeCoの順に使うのが基本
◆ NISAは“取り崩しても非課税”、リバランスを恐れない
◆ iDeCoは受け取り方で“税金の戻り”が変わる
◆ 年金は“繰り下げ”で1年あたり8.4%増える ― 長寿リスクに最適
本書の魅力は、FPの専門知識を、数字と図表で「誰でも理解できる言葉」に翻訳している点にあります。
制度を知り、仕組みを使いこなせば、不安は「見通し」に変わる――
著者の誠実な語り口が、多くの読者に安心を与えます。
また、「老後資金=節約」ではなく、「お金を“使う力”こそが人生後半の幸福度を決める」と説く視点も印象的です。
老後のお金は「貯める・増やす」だけでなく、「上手に使って人生を楽しむ」ためにある。
そうした “ウェルビーイングなお金観” を身につけたい方にも最適の一冊です。
長寿時代を生き抜くための「堅実で現実的なお金の教科書」として、また、20代からの “生涯マネープラン構築本” として、幅広い世代におすすめします。
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では、今日もハッピーな1日を!【3912日目】







