「使い方は、あなた次第。ただし悪用厳禁!」――そんな警句が冒頭に添えられた、実用性あふれる一冊があります。
本日紹介するのは、文化放送で政治記者・キャスター・報道番組プロデューサーを歴任し、心理学を学んだ経験をもとに、びわこ成蹊スポーツ大学教授として現代政治と国際関係論を専門に教える政治・教育ジャーナリスト、清水克彦(しみず・かつひこ)さんが書いた、こちらの書籍です。
清水克彦『知って得する すごい法則77』(中公新書ラクレ)
この本は、「人生や仕事に役立つ“人間の行動パターン”を、心理学・行動経済学・社会学などの視点から法則化したもの」を77個選りすぐりで紹介し、あらゆる場面で “使える知恵” として提示した、まさに “人生の攻略本” とも言える実用書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.職場で使える法則
2.管理職として使える法則
3.人間関係を良好にする法則
4.自分を高めるための法則
5.男女間で使える法則
6.子どもと自分を伸ばす法則
この本の冒頭で著者は、「世の中にあふれる “〇〇の法則(効果)” には、実は必ず真理が潜んでいる。しかも、それは人生のあらゆる場面で使える“武器”にもなりうる」と述べています。
本書の前半では、職場や組織マネジメントに役立つ法則が紹介されます。ビジネスパーソンなら誰もが一度は体験する “あるある” 場面に、名前のついた法則を当てはめながら、その背景と応用方法がわかりやすく解説されています。主なポイントは以下の通りです。
◆「単純化」するほど仕事は回る──メイヤーの法則
◆上司の期待に応えようとする心理──ピグマリオン効果
◆“やらされ感”を減らす工夫が成果を生む──アンダーマイニング効果
◆会議は「3人まで」が最適──リンゲルマン効果
◆職場の幸福感と生産性には相関がある──ハッピーワーカー効果
本書の中盤では、人間関係や自己成長、パートナーシップや子育てに使える法則が、心理学的根拠とともに示されます。主なポイントは次の通りです。
◆他人から褒められた方が響く──アロンソンの不貞の法則
◆禁止されるほどやってみたくなる──カリギュラ効果
◆人は“ピーク”と“終わり”で記憶する──ピーク・エンドの法則
◆「同調圧力」への対処力が自己肯定感を左右する──アッシュの同調実験
◆第三者の声のほうが信頼される──ウィンザー効果
さらに後半では、教育や子育てに活かせる法則にも光が当てられています。著者がキャリアセンター長や大学教授として学生と接してきた経験が活かされており、非常に実践的です。主なポイントは以下の通りです。
◆「失敗した経験」が最も人を伸ばす──エビングハウスの忘却曲線
◆子どもには「できたね」より「頑張ったね」──成長マインドセット理論
◆「気づき」を与える声かけが自律を促す
◆学びの“習慣化”は報酬系脳と連動している──スキナーの条件づけ
◆自分にも「小さな成功の積み重ね」が自信をつくる
この本の締めくくりとして、著者は「法則を知ることは、人生を賢く生きる道具を持つことに等しい。使い方を誤らず、人生や人間関係をより良くするために活用してほしい」と語っています。
ビジネス、教育、家庭、恋愛……人生のあらゆる局面で“再現性ある行動”を導く77の法則で、まさに一生手元に置いておきたい知的実用書です。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のYouTubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
https://www.youtube.com/channel/UCIwJA0CZFgYK1BXrJ7fuKMQ
では、今日もハッピーな1日を!【3802日目】