「2025年は、『昭和100年』に当たる。同時に、明治維新から昭和20年の敗戦までの期間とほぼ同じ「戦後80年」の年でもある。」「私たちの社会は、二重の意味で大きな転換点を迎えているのではないか。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、慶應義塾大学経済学部卒、1975年日本経済新聞社入社、大阪社会部、東京社会部、日経ビジネス編集部記者、シンガポール支局長、東京社会部編集委員、長野支局長、大阪地方部長、生活情報部編集委員などを経て、現在はジャーナリスト、日本記者クラブ会員の大橋牧人さんが書いた、こちらの書籍です。
大橋牧人『それでも昭和なニッポン 100年の呪縛が衰退を加速する』(日経プレミアシリーズ)
この本は、歴史的に厳しい局面に向かいつつある日本が、「昭和100年」「戦後80年」という2つのプリズムを通して、抱える課題の本質と打開策に迫っている書です。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.デジタル化に乗り遅れた日本
2.大企業の「昭和体質」が存亡の危機を生む
3.政治とカネの不純な関係、行政の時代遅れ
4.静かに確実に崩れ始めた安全ニッポン
5.芸能界・メディアから始まった破裂の連鎖
6.二重の歴史的転換点に立つ意味
7.職人魂+AIが道を拓く
この本の冒頭で著者は、まさに、今の日本人の多くが感じている閉塞感を、38年前の古い社会状況と対比して浮かび上がらせた、優れた作品であるテレビドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)のブームを紹介しています。
本書の前半では、「デジタル化に乗り遅れた日本」ついて以下のポイントを説明しています。
◆「デジタル小作人(デジタル農奴)」に成り下がった日本の企業と消費者
◆ 家計の円売り、キャピタルフライトは新NISAで加速している
◆ 英国の「旅行費用が安い都市ランキング」で東京が第4位(ベトナム・南アフリカ・ケニアに次ぐ)
◆ JTC(Japanese Traditional Campany)は皮肉を込めたスラング
◆ 米大手テックの日本進出は新たな「黒船」
この本の中盤では、「大企業の昭和体質が存亡の危機を生む」「政治とカネの不純な関係、行政の時代遅れ」「静かに確実に崩れ始めた安全ニッポン」および「芸能界・メディアから始まった破裂の連鎖」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 昭和型の不正(認証不正、パワハラ、下請法違反、汚職談合)が相次いで明るみに
◆ 政治家の裏金問題はインフレで国民の生活が厳しい中で怒りが増幅
◆ 昭和式から進歩しない災害対策
◆ 安全神話が崩壊し、テロが横行する日本
◆ 投資詐欺がなくならないのは金融教育の欠如が原因
◆ 昭和から続くジャニーズ性加害に象徴される芸能界・メディアの「闇」が暴露
◆ 宝塚、日本大学、相撲界の軍隊式・パワハラ・暴力の「闇」
◆ エンタメ界の「やりがい搾取」
本書の後半では、「二重の歴史的転換点に立つ意味」および「職人魂+AIが道を拓く」ついて説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ ジョージ・フリードマンの80年・50年周期説に日本も合致する
◆ 高度成長時代の遺産を食いつぶす国に
◆「日本独自のAI構築を」というエヌビディアCEOの提案
◆ 生成AIを武器として一揆をおこす「AI百姓」になれ!
◆ 政治的自由は、アジアの中で貴重な財産
この本の締めくくりとして著者は、「2023年から24年にかけて起きた様々な衝撃的出来事は、昭和の負の遺産、矛盾がとうとう閾値を超え、あちこちで破裂し始めたように、筆者には感じられた。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「昭和100年」「戦後80年」を転換期として、昭和の負の遺産からの脱却を図っていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3510日目】