「『人生後半の働き方』は今までとはまったく違います。『生活のために働く』から『自分のために働く』に切り替わるのです。」「働くことは『人生を楽しむために行うもの』と再定義してみるのです。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年兵庫県生まれ、同志社大学を卒業後、34年間製薬会社で営業、人事、社員教育を担当し、57歳で早期退職し再就職するも、多くのつまずき、苦労を経験、試行錯誤を重ねてリスクなく独立する道をつかみ取って、東京都主催の「東京セカンドキャリア塾」など研修講師として活躍するセカンドキャリアコンサルタント、モチベーション総合研究所代表、東京定年男女の会を主宰する髙橋伸典さんが書いた、こちらの書籍です。
髙橋伸典『定年後自分らしく働く41の方法:50歳から始める幸せなセカンドキャリアの築き方』(知的生きかた文庫)
この本は、普通のサラリーマンが試行錯誤の末に掴んだ「定年後の楽しく充実した働き方」ー「幸せなセカンドキャリアの築き方」が書かれていて、著者の経験だけでなく、数多くの方たちの実体験、そこから得られた知見がすべて盛り込まれています。
本書は以下の7部構成から成っています。
1.「定年後に輝く人たち」の成功例に学ぶ
2.自分らしい「幸せな働き方」を考えてみよう
3.そもそも「あなたに会う仕事」って何?
4.「キャリア棚卸&発見シート」で本当の適職が見つかる
5.「働く不安」が「希望」に変わる考え方
6.定年後は、この「マインドチェンジ」が武器になる
7.セカンドキャリアをさらに充実させるために
この本の冒頭で著者は、「働くことで身体が元気になり、人との交流もでき、孤独の防止にもなり、生きているのが楽しくなる」・・・そう考えると、何だかワクワクしてきませんか?と問いかけています。
本書の前半では、「定年後に輝く人たちの成功例に学ぶ」について以下のポイントを説明しています。
◆ 定年後の働き方に「正解、不正解」はない
◆ 仕事探しは専門分野や処遇だけではなく、「好きなこと」も視野に入れる
◆ 退職後からの勉強、資格取得でも遅くない、仲間づくりに役立つ
◆ 周囲の意見を取り入れ、行き詰ったら「好きなことは何か」を考える
◆ 独立するならリスクの少ない業務委託契約から
◆ 逆境からヒントは得られる
◆ 人の役に立つことが心の安定につながる
◆ 興味のある場所を見つけたら、継続して関わってみる
この本の中盤では、「自分らしい幸せな働き方を考えてみよう」「そもそもあなたに会う仕事って何?」および「キャリア棚卸&発見シートで本当の適職が見つかる」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 自分の強みを自覚し、それを積極的に活かす
◆ 公務員への道は年齢制限がなく門戸が開かれている
◆ 小さな独立で「自分の好きなこと」を仕事にする
◆ 定年後の仕事は、①好き、②できる、③役立つの3要素
◆ お金よりも自分の「生きがい」、価値観に合った「ライフワーク」
◆ 自分のペースで働くことにシフトする
◆「これまでの経験を振り返る」⇒「強みを棚卸しする」⇒「自分に合った仕事を考える」
◆ 3つのカテゴリー:①対人関係、②物事への取り組み、③課題解決
◆ 強みを掛け合わせると「オンリーワンの強み」になる
◆「組み合わせ&仕事発見シート」を使う
◆ 強みを深める、人から強みを聞き出す
◆「ターゲットを変える」だけで、仕事が生まれる
本書の後半では、「働く不安が希望に変わる考え方」「定年後は、このマインドチェンジが武器になる」および「セカンドキャリアをさらに充実させるために」ついて説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆「年金だけの生活」をシミュレーションしてみる
◆「30数年にわたる仕事人生は宝の山」だと考える
◆ 謙虚な考え方をする、「ありがとう」を習慣化する
◆ 相手に関心を持つ
◆ ネガティブをポジティブに変換する
◆ サラリーマン能から自立脳に換える
◆ 自らの考えを持ち、柔軟性をもって新しいことに挑戦し、自己責任を意識する
◆「成功談」より「失敗談」で自己開示する
◆ 自分が取り組む仕事をやりがいのあるものに作り直す「ジョブクラフトティング」
◆ ウェルビーイングを高める4つの方法:①自分の強みを把握し、実践する、②フローな状態、今あることに没頭する
◆ ③ポジティブな感情を持つ、④今を大切にする(マインドフルネス実践)
◆ 定年後は「ありがとう」の数だけ幸せになれる
この本で説明されている、業務委託契約の活用でフリーランスになる方法や「人生の後半戦」を楽しむ考え方については、拙著『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)、『定年ひとり起業』シリーズ3部作(自由国民社)およびムック本『1日1テーマ読むだけでやりたくなる 定年ひとり起業』(自由国民社)で私が提唱している「トリプルキャリア」でライフワークをバックキャスティングで実現する「生涯現役の生き方」と極めて近い考え方で、深く共感しました。
この本の巻末には、「シニアの強み100選」および「シニアの仕事100選」が掲載されていて参考になります。
また、著者の前著『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター )も併せて読むと、より理解が深まるのでお勧めです。
あなたも本書を読んで、定年後自分らしく生きる働き方のヒントを見つけて、50歳から幸せなセカンドキャリアを築いていきませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3426日目】