「会計にはたくさんの細かいルールがありますが、ほぼ『ぱなしとぱなし以外に分ける』『費用配分』『保守主義』の3ルールに集約されます。」「この3つのルールを応用すれば会計に関することが、『なぜそうなっているのか』腑に落ちます。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1953年秋田県生まれ、、元埼玉県和光市議会議員(2期)、税理士として石川税務会計事務所を経営している石川淳一さんと、1969年兵庫県生まれ、早稲田大学法学部卒、経済系の出版社で会計、経営、財政、地方自治等の本を手がけ、埼玉県和光市議会議員を経て、和光市長を務めた松本武洋さんが書いた、こちらの書籍です。
石川淳一・松本武洋『3つのルールでわかる「使える会計」』(洋泉社)
この本は、冒険商人コロンブスの商売を通して3つのルールと会計の基本原則を理解し、複式簿記の基本的な流れを学び、時価会計や税効果会計など、会計のなかでも最近話題になっている論点を取り上げた書です。
本書は以下の3部構成から成っています。
1.会計の基本原理と財務3表を理解する
2.簿記の流れはこうなっている
3.資本主義の高度化に会計はこう対応している
この本の冒頭で著者は、「まずは3つの基本ルールをマスターして、会計の基本的な考え方を身につけましょう。本質をつかめば、応用は簡単です。」と述べています。
本書の前半では、「会計の基本原理と財務3表を理解する」について以下のポイントを説明しています。
◆ 会計の目的:カネを出した人にわかりやすく報告する
◆ 稼ぐのにいくら使ったか: 費用と収益の対応
◆ 費用を年度ごとに配分するのが「費用配分」
◆ 現金の出入りを記録する「現金出納帳」が基本
◆ 入金・出金を、「入りっぱなし・出っぱなし」と「それ以外」に分けて4分割する
◆ 4分割でカネやモノの流れを考えるのが、貸借対照表と損益計算書
◆ カネの流れ(資金繰り)を見るキャッシュフロー計算書
◆ 営業・投資・財務のうち、営業キャッシュフローはプラスに(=本業の黒字)
この本の中盤では、「簿記の流れはこうなっている」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 似たような項目をまとめるのが「勘定科目」
◆ 簿記の仕訳は、現金が左だと入金、現金が右だと出金
◆ 仕訳を総勘定元帳に転記して、「残高試算表」を作成する
◆ 決算書とは、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の財務3表
本書の後半では、「資本主義の高度化に会計はこう対応している」ついて説明しています。主なポイントは以下の通り。
◆ 固定資産は耐用年数に分けて、減価償却として費用配分する
◆ 棚卸資産は本業の在庫で評価に注意
◆ 収益は「発生主義」より厳格な「実現主義」で認識する
◆ 会計の一般原則8つのうち、継続性の原則・保守主義の原則・重要性の原則が大切
◆ 税制度による決算のゆがみを調整する「税効果会計」
◆ 資産価値の増減を反映する「時価会計」
◆ グループでまとめて情報を開示する「連結会計」
◆ IFRSは短期利益重視
この本の締めくくりとして著者は、「同じ会計でも、原価取得主義会計と時価・減損会計では、そもそもの目的から異なった会計です。両社は本質的にまったく別のものであり、混同しないように注意が必要です。」と述べています。
あなたも本書を読んで、会計的発想を身につけ、会計的視点から世の中を新しく捉え直してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
https://www.youtube.com/@user-kd3em9nm4q/featured
では、今日もハッピーな1日を!【3412日目】