「ポストコロナ(コロナ後)、ウィズコロナ(コロナとともに生きる)の時代を生きる皆さんに、本書を ”新時代の相続の教科書” として活用していただきたい。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1957年東京都生まれ、東京大学経済学部卒業、日本専売公社、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て、現在は経済アナリスト、獨協大学経済学部教授で、50年間集めてきたコレクションを展示するB宝館(埼玉県所沢市けやき台2-32-5)が話題の森永卓郎さんが書いた、こちらの書籍です。
森永卓郎『相続地獄 残った家族が困らない終活入門』(光文社新書)
この本は、著者が父親の死から10カ月にわたって「相続地獄」の泥沼をさまよい歩いた、地獄の体験を書き起こすところから始め、読者が地獄を回避するためのノウハウをあれこれ書き記した書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.「相続」は突然やってくる
2.今日から始める「生前整理」
3.ここがおかしい相続税
4.財産キープのルール
5.相続放棄プロジェクト
6.人生の仕舞い支度
この本の冒頭で著者は、自らの母親の死、その後の父親の「自宅介護」、通夜・葬儀、相続に奮闘した経緯を記しています。
本書の前半では、「相続は突然やってくる」および「今日から始める生前整理」について、以下のポイントを説明しています。
◆ 要介護4の自宅介護は「地獄の24時間介護」
◆ 延々とかかる介護費用(人件費換算分を含め5000万円)
◆ 父の通夜・葬儀だけで消えた400万円のキャッシュ(家族葬なら20~30万円)
◆ 期限10カ月の相続手続き、預金口座探しに奮闘
◆ 基礎控除4割減がもたらす「相続地獄」
◆ 親へのリスペクトが基本
◆ クレジットカードとポイントカードをチェック
◆ 親の財産目録を確定させること
◆ 介護費用の大原則は、本人の貯金や年金から払うようにする
◆ 介護費用を負担する場合は、人件費と経費を記録、領収書も保管すること
この本の中盤では、「ここがおかしい相続税」および「財産キープのルール」について、著者の見解を紹介・解説しています。主なポイントは次の通り。
◆ 相続における「特別寄与」制度の創設
◆ 民法改正で認められるようになった「配偶者居住権」
◆ 結局は「親子の人間関係」が大切
◆ 超富裕層は相続税の節税が可能な税制
◆ 認知症100万人時代の到来
◆ 素人には難しい「事業承継税制」
◆ 生前整理で見つかる宝の山
◆ オタクのコレクションも現金化できる
◆ 公証役場に遺言書を残す
本書の後半では、「相続放棄プロジェクト」および「人生の仕舞い支度」について考察しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 相続放棄なら弁護士や税理士への手数料もなし
◆ 空き家2000万軒時代の到来
◆ 別荘というワナ
◆ ポストコロナ時代の不動産投資
◆ 総工費1億8000万円で建てた夢の「B宝館」
◆ 節税対策にはならない個人経営のミュージアム
◆ 不動産は厚い岩盤の上に建てよう
◆「住み開き」で税金対策しよう
この本の締めくくりとして著者は、「農業はゴルフよりはるかにお金がかからないし、運動量は農業のほうが段違いに多い。」と述べています。
あなたも本書を読んで、「争族」問題も「負動産」問題もきれいに片づけ、人生の総仕上げの時期には、やりたいことをやって楽しい晩年を過ごしてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【2834日目】