キム・デギュン氏は、韓国のカリスマTOEIC講師で、人気抜群だ。毎回、実際のTOEIC公開テストを受験し続けており、その都度、試験問題を暗記して徹底的に傾向を分析する。
韓国で、その分析をもとに予想問題を再現してTOEIC指導を行っている。教室で習った問題や単語がそのまま本番のTOEIC公開テストで出題される、ということで評判となり、ついに日本にも上陸してしまった。
日本でまた、たいへんな評判となり、「韓国人はこれでスコアが良いのか」というウワサまで出る始末。TOEICの試験問題を作成しているETSまで本書には注目し、本に書かれた問題や単語は出題しないようにするということが、まことしやかに囁かれている。
私もTOEICのスコアが上がり始めて少し上昇幅が緩やかになってきた頃に本書の改訂前初版を手に取り、熟読した。感想としては、これまでチェックしていなかった知らない単語がかなり出ていて驚いた。TOEICで使われる単語は大方、覚えていると思い込んでいたので、意外だったのだ。
ビックリしたのは直後のTOEIC公開テスト。キム・デギュンの本で見た単語が次々に出題されている。しかも文法問題のPART5だけでなく、長文問題のPART7や、リスニングのPART4の選択肢にも。
これまでは知らない単語として読み飛ばしていたのだろうか。今回は、「秒殺」といって、瞬間的に正解を選べるので、その差は歴然だ。返ってきた結果のスコアも壁だった860点を突破するものだった。
私の感想では、必修単語のチョイスが的確であるため、リーディングの点数が安定する効果がある。TOEICスコアが伸び悩む英語中級者には一押しの名著だ。