「プレゼンは、『上手にできるかどうか』ではなく、聴き手のストレスを排除し、聴き手の満足感を高め、聴き手の行動にプラスの影響を与えることが大事です。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1971年生まれ、学習院大学経済学部卒、消費財メーカー、市場調査機関を経て、1999年より社員研修、公務員研修講師として、延べ50,000名以上に「仕事の進め方」を直接指導してきた、働く環境向上を支援する「風土刷新コンサルタント」で、一般社団法人日本ほめる達人協会「ほめ達!」特別認定講師の長谷川孝幸さんが書いた、こちらの書できです。
長谷川孝幸『絶対失敗しない! ササるプレゼン ― 成果を上げるプレゼンテーションのすべて― 【オンライン完全対応】』(ごきげんビジネス出版)
この本は、2018年に刊行された電子書籍『人前で話すのが苦手な人でもササるプレゼン 絶対失敗しない!5ステップ』を改題し、時勢に鑑みて大幅に増補した書です。
本書は以下の10部構成から成っています。
1.はじめに
2.本書のグランドルール
3.「プレゼン=相手に伝える」を理解しよう
4.「ササるプレゼン」5つの準備
5.ラクに人前で話そう
6.対面でもリモートでもササるプレゼン
7.相手と場所で使い分ける
8.プレゼン直前の最終確認
9.オンライン時代は「1分トーク」と「10分プレゼン」で勝つ!
10.おわりに
この本の冒頭で著者は、「ササるプレゼン」とは、「聴いた人が抵抗なく聞けて、行動変容を起こす話」のことだと定義しています。
そしてプレゼンには以下の7つのステップがあり、これでワンセットだと説明しています。
1.機会とスケジュールを取ってもらう
2.実際に聞いてもらう
3.理解してもらう
4.その気になってもらう
5.相手に動いてもらう
6.当方の望む成果が出るまで続けてもらう
7.当方も相手も「そうしてよかった」と成果が実感できる
つまりプレゼンは、対面でもリモートでも「ササるコミュニケーション」が大切で、上手かどうかより、「わかるかどうか」がポイントなのです。
続いて、聴き手の行動変容を促すプレゼンの基本として、以下の8つの条件を満たす文章やトークを挙げています。
◆ 納得
◆ 受容
◆ 関心
◆ 感心
◆ メリット
◆ 客観性
◆ 情
◆ 簡潔明瞭
次に、「ササるプレゼン」の5つの準備として、以下のポイントを説明しています。
1.好まれるテーマを設定
2.思い込みを排除
3.好まれるスピーカーに
4.好まれる展開を事前設定
5.マイナス要因を排除
とくにリモートコミュニケーションの場合は、配信側にも受信側にも、①技術面の問題、②通信回線上の問題、③気持ちが慣れていない(苦手意識がある)というストレスがあり、十分な準備と配慮が必要となります。
本書の中盤では、人前でラクに話すコツ、リモートでも対面でもササるコンテンツ、相手と場所で使い分けるポイントが解説されています。
私がとくに共感するポイントは以下の通りです。
◆ 最低限が伝わればOKと考える
◆ 3または5を意識する
◆ SMARTの法則で組み立てる
◆ メリットを明確にして理解を促進する
◆ デメリットもきちんと伝える
◆ 言いたいことではなく、聴きたいことを
◆ 対面でもオンラインでも10分を単位に
◆ 発生・姿勢・表情が大切
いずれも私が研修講師としていつも心がけているポイントで共感できます。1点だけ、私と異なる点は、「SMARTの法則」について、この本では、「A」を「Agreed upon(納得がいく)」または「Achievable(達成可能である)」と解説していますが、私の場合は「A」を「Attractive(魅力的な、ワクワクする)」と解釈して実践、あるいは受講者にも勧めています。
本書の後半では、プレゼン直前の最終確認として、リモートの場合も含めて留意点が記されていて参考になります。
巻末には、「1分トーク」のつかみと、「10分プレゼン」のつくり方、活用法が具体的に記されていて、役立ちます。
あなたも本書を読んで、オンラインにも対応できる「ササるプレゼン」を習得し、実践してみませんか。
ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!【2465日目】