「生涯現役が生涯健康のパスポート」、「生涯青春で楽しく健康に生きるには、生涯現役で仕事や趣味に取り組むことが極めて有効だ」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、1947年岐阜県生まれ、松下電工(現パナソニック)入社、住建部門で営業企画・生産管理・事業企画などの仕事に携わり、系列の人材会社で役員、事業部長を歴任、退職後に研人企画を設立、執筆業に携わる陵水研人さんが書いた、こちらの書籍です。
陵水研人『無敵の定年後 65歳から起業して「生涯青春」で生きる法』(PHP研究所)
この本は、60~65歳で定年を迎える皆様に「生涯現役に取り組み健康長寿で人生をますます輝かせる」事例を紹介し、参考にしてもらうことを目的に書かれました。
本書は以下の8部構成から成っています。
1.天職の素は誰もが持っている
2.出版に携わる仕事をしたいという夢
3.65歳からでも起業はできる
4.起業までの道のり
5.65歳起業のメリット・デメリット
6.65歳起業までに準備しておくこと
7.夢は捨てないほうがいい
8.定年後を楽しむ人々の声から
この本の冒頭で著者は、人は自分が知らない強み「天職の素」を持っている、と述べています。
そして、天職探しの参考として、以下の分類から成る「定年後の生き方一覧表」を掲載しています。
A.保有能力活用による天職:➀技術・技能活用型、②人脈活用型
B.新規能力取得による天職:➀資格取得型、②事業創造型
C.特技や趣味による天職:➀個人事業主型、②ボランティア型
続いて、「目標と夢が人生を豊かにする」記入シートを提示し、➀家庭、②仕事、③趣味の3分野について、それぞれ短期目標(1年以内)と中長期目標(夢)を設定し、天職が探せるツールを紹介・解説しています。
また本書の中盤では、「65歳からでも起業はできる」として、シニア起業の成功事例や、留意点・落とし穴に加え、具体的な準備について説明しています。
著者自身の起業までの道のりを紹介したのち、65歳起業のメリット・デメリットを解説しています。まずメリットは以下の通り。
◆ 自分の夢に挑戦できて、社会に貢献できる
◆ これまでの経験や知識を活かせる
◆ 仕事は頭と心と体にいいので生涯健康で生きられる
◆ 新たな出会いや経験で刺激が得られる
◆ 人から学ぶ機会が得られる
◆ 一日一日を充実して生きられる
◆ 経済的に自立できる
◆ 起業の醍醐味が味わえる
反対に、デメリットはその裏返しで、以下のことが挙げられます。
◆ 家族からの反対
◆ 年配者は後進に道を譲るべきとの批判
◆ リスクを冒す勇気が必要
◆ やることが多く、時間に追われる
◆ 初めての経験が多く、即断を求められる
◆ 資金繰りで頭を悩まされる
◆ 営業力が必要
この本の後半では、65歳起業で準備すべきことや成功のコツが提言されています。ポイントは以下の通りです。
◆ 温故知新で自分の強みと課題を知る
◆ 自分の強みをさらに強化する
◆ 人脈の再構築
◆ 成功するまでやめない
◆ 対局着眼、小局着手
◆ 夢は人生を楽しむ心のエンジン
◆ 本との出会いを活かす
◆ 夢と時間そして努力と運は平等
本書で提示されているポイントは、私が一昨年出版した『定年後不安 人生100年時代の生き方』(角川新書)にて私が提唱した、人生100年時代における生涯現役のための「トリプルキャリア」と共通する視点が多く、感銘を受けました。
またこの本の巻末には、「定年後を楽しむ方々の声から」と題して、著者が主宰する「生涯青春研究会」の会員メンバーによる生き方の事例が掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、人生100年時代に「無敵の定年後」になるべく、「生涯青春」で生きる方法を学び、実践してみませんか。
2020年5月17日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第97回】65歳から起業する「無敵の定年後」にて紹介しています。
毎日1冊、ビジネス書の紹介・活用法を配信しているYouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』の「紹介動画」はこちらです。ぜひ、チャンネル登録をしてみてください。
では、今日もハッピーな1日を!