甲子園に出場する強豪校では100人以上の部員を抱える高校も多く、「甲子園でユニフォームを着られるのはわずか18名、8割以上が補欠ということになる」「甲子園はゴールじゃない。ごーるになってほしくない」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1968年愛媛県生まれ、立教大学野球部4年時に、23年ぶりのリーグ優勝を経験、卒業後にぴあに入社し、KADOKAWAなどで編集者として活躍したのち独立し、現在は作家として野球に関する著書を多く世に出している元永知宏さんが書いた、こちらの書籍です。
元永知宏『レギュラーになれないきみへ』(岩波ジュニア新書)
この本は、補欠を経験した人、補欠の働きの大切さを知る8人の野球人に話を聞き、「チャンスを与えられないときにそうするのか?」「チームにどう貢献するのか、仲間に対して何ができるのか?」を明らかにしようと試みた書です。
本書は以下の8部構成で、8人の野球人に対するインタビュー記事から成っています。
1.松原聖弥:甲子園のスタンドから巨人の星を目指す
2.山本武白志:野球の世界に別れを告げてクリケットに転向
3.塩見直樹:三年生部員が挑む最後の試合『ラストゲーム』
4.岩本淳太:名門・広陵高校を準優勝に導いた背番号18のキャプテン
5.須田瞬海:26歳でIT会社社長になった「圧倒的な補欠」
6.なきぼくろ:伝説の高校野球チームで得たもの
7.小林由佳:東京六大学初の女性主務が見た「補欠の力」
8.矢野勝嗣:「奇跡のバックホーム」を生んだ師弟の絆
この本は、著者が夏の甲子園を取材するたびに感じる高校野球の厳しさの中で、地区の予選を勝ち抜いたチームの中に “ 光と陰 ” があることを感じ、甲子園のグランドに立つことができずに応援に回る補欠選手たちにエールを送るために書かれました。
本書は、著者が「補欠の力」を知る人たちに話を聞く中で、学校や社会、いろいろな世界に共通する「教え」があることを発見し、それを補欠の人たちに伝えたいという思いで満ち溢れています。
それは以下のようなメッセージに込められています。
◆ 補欠に甘んじている人に「そこ」が終わりでないと伝えたい
◆ 人がいつ成長するかは誰にもわかりません
◆ 指導者の評価も絶対ではない
◆ 大切なのは、自分を信じること、絶対に腐らないこと
◆ その日が来るまで、報われない(かも知れない)努力を続けて欲しい
あなたも本書を読んで、ゴールは「いま」じゃないこともあると、しっかりと人生を見つめてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!