高齢者やその家族に対し、老人ホームの正しい理解を深めてもらうために書き下ろした本があります。
本日紹介するのは、1965年神奈川県生まれで、長年大小さまざまな老人ホームに介護職員や施設管理者として勤務した後、民間介護施設紹介センター「みんかい」の経営スタッフとして活躍する小島勝利さんが書いた、こちらの書籍です。
小島勝利『老人ホーム リアルな暮らし』(祥伝社新書)
この本は、老人ホームは、多くの皆さんにとって効果的な “ 住まい ” になるはずであり、入居した老人ホームが「自分に合わない」というような場合には、我慢をしないで次の老人ホームを探せばよい、と提唱している書です。
本書は以下の4部構成から成っています。
1.老人ホームで暮らすということ
2.リアルに疑似体験-老人ホームの24時間
3.老人ホームで働く介護職員って、どんな人?
4.エピソード集: 老人ホームで起こるさまざまな出来事
この本の冒頭で著者は、介護職員が不足している現状や、介護職員が足りない根本的な理由を説明しています。
現在の介護保険制度は、行政的な「措置」から「サービス業」に転換しつつあるものの、入居者の安心・安全の確保と、個人情報やプライバシーの尊重という両立し得ない要求を同時に満たさねばならないという矛盾を抱えている、と著者は指摘しています。
また、介護保険サービスの利用者にも正しい知識がなく教育が必要なこと、さらに家族間で解決できない問題は老人ホームでも解決できないことを理解してもらう必要がある、と本書では述べています。
次に、「老人ホームの24時間」を施設での勤務・運営経験が長い著者の目を通して、疑似体験できるように時系列で細かく描写しており、施設に勤務する介護職員はこんなにもやることが多いのかと、改めて驚かされます。
朝8時からの一斉朝食、10時のおやつや昼食時間、さらにレクリエーションのイベント、夕方5時からの夕食、その合間の排泄介護や緊急時対応、そして早番や遅番への申し送りの打ち合わせなど。
介護職員の通勤時間なども考慮すると、老人ホームの施設運営はほんとうにたいへんだ、と本書でリアルな疑似体験をすることで実感します。
続けて、老人ホームで勤務する介護職員とはどんな人なのか、その内側を描いています。
最後に、老人ホームで起きるさまざまな出来事を「18のエピソード」として紹介しています。
まさに老人ホームでの勤務や運営に長年携わってきた著者ならではの豊富な体験から、様々なケースが書かれていて参考になります。
多くの老人ホームに入居したことがない人によるネガティブな印象や不正確な情報により、真剣に老人ホームへの入居を考えている人たちは大きな誤解をしている、と著者は懸念しています。
あなたも本書を読んで、「老人ホームのリアルな暮らし」について、きちんと理解してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!