「変化を受け入れ適応する者は、この世界で成功を収め、幸福に生きることができる。逆に変化を嫌う人はたいてい成功できず、めったに幸福感を抱かない。」と述べている本があります。
本日紹介するのは、世界三大投資家の一人で、ジョージ・ソロスとクオンタム・ファンドを設立し、10年で4200%という驚異的なリターンを叩き出して37歳で引退し、「アジアの世紀」の到来を予測してシンガポールに移住、冒険投資家として活動するジム・ロジャースさんが書いた、こちらの書籍です。
ジム・ロジャース『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)
この本は、著者が見てきた「世界の変化」について、どのようにして人々が気づく前に「小さな変化」を感じ取り、将来をいち早く予測することができるのかを述べ、日本が現在抱える課題とその解決策を提示している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.日本人が見て見ぬ振りをする、破滅的な未来
2.日本人が今克服すべき課題
3.アメリカ、中国、朝鮮半島-これが変化の本質だ
4.家族とお金を守るために私が学んだ九つの成功法則
5.これからの時代に勝つ投資
この本の冒頭で著者は、子を産まず、移民も受け入れない日本人は、「何かを変えなくてはならない」と思っているはずなのに、皆重々しい表情を浮かべている、と指摘しています。
そして日本人が抱える課題として、人口構成を変えること、人口を増やすことが根本であり、以下の課題を克服すべきと提言しています。
◆ 外国人に対する差別意識をなくす
◆ 移民をコントロールしながら受け入れる
◆ 子や孫に中国語を学ばせる
◆ 50代の日本人は国外投資に目を向ける
◆ アジアから押し寄せる観光客に勝機を見出す
◆ 日本の学校を外国人に開放する
◆ 未来を読むために、歴史を学ぶ
◆ 世界を旅し、変化を肌で感じる
続いて、アメリカ、中国、北朝鮮などの変化の本質について考察しています。
著者は、中国、北朝鮮、ロシアの将来性を高く評価しています。また、コロンビアが大麻ビジネス拡大が起爆剤になって成長すると予測しています。
ここの予測に関しては私と見方が異なります。資源が豊富という点は、北朝鮮のウラン鉱石、ロシアの桁外れの資源埋蔵量はその通りだと思いますが、それだけでは経済成長は難しく、国民の勤勉性や教育レベル、情報の開放性から見て、変化には相当の時間がかかると見ています。
本書の後半では、家族とお金を守るために著者が学んだ「9つの成功法則」を以下の通り、紹介しています。
1.人の言うとおりにしてはいけない
2.故郷にとどまるな
3.結婚・出産を急ぐな
4.自分の能力を過信するな
5.情熱を無視するな
6.お金のことは気にするな
7.子どもの情熱も尊重せよ
8.お金について学ぶことを怠るな
9.何のために稼ぐのかを忘れるな
この本の最後で著者は、「これからの時代に勝つ投資」について、原理原則を述べています。私も共感する原則は次の通りです。
◆ よく知らないものに分散投資してはいけない
◆ 情報源は今も新聞と年次報告書
◆ 情報を疑う
◆ 好機は危機に潜む
◆ 大衆のヒステリーを見抜く
◆ 間違いから学ぶ
あなたも本書を読んで、著者が日本への処方箋として提示している「起業家精神(アントレプレナーシップ)」を育み、先を読める投資家を目指してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!