書評ブログ

『「いつでも転職できる」を武器にする』

これからは「自分らしく活躍し、認められ、稼げる」ことが会社・仕事・働き方の選択基準と言うが、「選択肢が多すぎて選べない!」のが実情だ、と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、外資系大手コンサルティング会社PwC、マーサー、アクセンチュアなどのプリンシパル(部長級)を経て、現在は人事・戦略コンサルタント、HRストラテジー代表、日本人材マネジメント協会執行役員松本利明さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

松本利明『「いつでも転職できる」を武器にする市場価値に左右されない「自分軸」の作り方 』(KADOKAWA)

 

 

本書は、これまで5万人を採用・リストラ・育成してきた人事のプロフェッショナルが、会社や世の中がどう変わっても戦える「最強の思考法」を伝授してくれる書です。

 

 

 

またこの本は、転職に追い込まれている人だけではなく、次のような人々を対象に書かれています。

 

 

◆ 今の会社にこのままいていいのか、モヤモヤと不安に思っている人

 

◆ 「本当にやりたいこと」が中々見つからない人

 

◆ この会社にしがみつくしかないと諦めている人、おびえている人

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.「日本の転職」の前提が全て変わってしまった

 

2.自分軸にあった市場を見極める

 

3.自分軸で売れるキャラを確立する

 

4.自分軸で市場価値をつくれるようになる

 

5.自分軸で強くなるー転職しない時にやり続けること

 

6.永久保存版 自分軸で活躍する判断基準を身に付ける

 

 

 

この本の冒頭で著者は、これからの時代、数年先状況判断「自分らしく当て続ける」ための「転職力」が必要だ、と説いています。

 

 

 

ここで言う「転職力」とは、自分の持ち味(=「自分軸」)を知り、活かすことで、以下のことを実現する「目利き力」を持つことです。

 

 

◆ 好きなタイミングで欲しい値段で自分を売れる

 

◆ 自分が好きなことで稼げる市場と仕事を知る

 

◆ 出世に限らず、世の中で認められる

 

 

つまり「いつでも転職できる」が武器になる、と著者は言います。

 

 

転職力はあなた自身を守ることに繋がり、流動的な世の中で生きていく「安心保険」とも言えます。転職力は「自分で人事異動」できる力と言えるのです。

 

 

したがって、「転職できる」を武器として持つことで、はじめて自由になれる、というのが本書の主張です。

 

 

 

この本ではまず、変化しすぎるこれからの時代の転職やキャリアの考え方を解説しています。

 

 

 

次に、自分軸で働く居場所について考察しています。視点は、①業界のビジネスモデルによって決まる報酬水準と、②自分の資産にあって成果が出せ、やりがいを感じやすい仕事の選び方、の2点です。

 

 

 

続いて、自分軸をハッキリさせるコツが記されています。人は遺伝子で資質の半分が決まり、20歳までに確定するので、その資質を見極めることは重要なのです。

 

 

 

さらに、チャンスに備えて身に付けておくことを挙げています。いわゆる「ポータブルスキル」で、資質や特定の業種・職種・時代背景に捉われない能力のことです。

 

 

具体的には、どの組織でも「仕事を前に進めていく」ために必要な共通能力で、スキルの3階建て構造から成っています。

 

 

資質を土俵(1階)にして、仕事を前に進めていくポータブルスキルである「PDCA+コミュニケーション+対人育成」(2階)を鍛え、資質にあった専門性(知識・能力・経験=3階)を鍛え、必要に応じて取り替えていくのです。

 

 

 

ここまでの内容で、私が特に印象に残るのは「大人の自己紹介」があなたの市場価値を上げる、という著者の主張です。

 

 

人が一番気にかかることは自分に「得」になるか「損」になるかです。つまり、相手にとって「得」になるか「損」を避ける話であれば強い関心を持って聞いてもらえるため、そのように「自己紹介」を組み立てます。

 

 

 

具体的には、次のように時系列で、相手が「欲しい」と感じる、あなたの情報を取り出し、組み立て、伝える「大人の自己紹介」をするのです。

 

 

◆ 過去: 価値を提供できる根拠となる役割や実績(実績・根拠)

 

◆ 現在: 今どんな仕事をしているか(現在の役割)

 

◆ 未来: 過去、現在を踏まえて、相手にどんな価値を提供できるか(提供価値)

 

 

 

本書の最後には、永久保存版として、身に付けるべき「自分軸で活躍する判断基準」が記されています。ポイントは次の通りです。

 

 

◆ アルムナイ(卒業生・同窓生・交友)がない会社は社員を潰す

 

◆ やめた社員がどれだけ活躍しているかで、その会社における成長のチャンスがわかる

 

◆ 「仲間」を強調する会社は給料が安いうえ、成長チャンスは微妙

 

◆ 社員の離職率と幹部の割合で見切る

 

 

◆ 退職金制度がない会社は社員を使い捨てにするリスクがある

 

◆ 「できるところまで頑張ろう」と思うと賞味期限が切れる

 

◆ ラスボス(ゲームの最後に登場するボス)は倒してから次の会社に向かう

 

◆ 失敗が大きいほど、一生話せるネタになる

 

 

 

あなたも本書を読んで、市場価値に左右されない「自分軸」を作り、「いつでも転職できる」を武器にしてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!