「たったひと言だけで気持ちやモチベーションが上がり、仕事の生産性やスピードまで上がる質問」のことを「アゲる質問」と呼んで、その活用法を解説している本があります。
本日紹介するのは、1960年生まれ、東京大学文学部心理学科卒業後、石油化学メーカーJSRに勤務、サンダーバード大学院にてMBAを取得し、ユネスコ勤務を経て、1994年にインテルに入社して21年間勤務して執行役員となり、その後独立して最新コーチングのメソッドを世に広めている板越正彦さんが書いた、こちらの書籍です。
板越正彦『仕事が変わる!「アゲる」質問』(きずな出版)
この本は、自分にも相手にも深い気づきを与え、行動に結びつくような5つの「アゲる質問」と、それを励ます「コーチンング」が、多様化が進む社員の個性に対応して、個々の内発的動機を理解し、生産性アップに最も効果があることを、わかりやく説明している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.生産性、スピード、モチベーションが劇的に上がる「アゲる質問」とは?
2.人を動かす質問の「5つのルール」
3.生産性を上げる質問の「4ステップ」
4.アゲる質問の「5つの技術」
5.自分のためのアゲる質問「セルフコーチング」
この本の冒頭で著者は、質問には「アゲる質問」と「サゲる質問」があると述べています。
そして、最高の手法は「アゲる質問 × コーチング」である、と提唱しています。
アゲる質問とは、次の「5つの技術」を駆使した質問法です。
◆ サクサク決断法
◆ タラレバ突破法
◆ やりきる力強化法
◆ 原因深堀り法
◆ やる気スイッチ発見法
まず、最初の「サクサク決断法」は、「人生最後に食べたいものは?」という質問のような、「究極の選択」をできる質問を投げかけて、「いま、なにをすべきか」を考えてもらうものです。
次の「タラレバ突破法」とは、絶体絶命のピンチや失敗できない大きな仕事に直面した時に、突破口を見つけるために、「もし・・・・だったら」という質問をすることで、いったん現実から離れさせるものです。
「やりきる力強化法」は、最後まで集中してやりきってもらうための方法で、副詞を使う、強弱をつける、繰り返すなどを質問に採り入れます。
また「原因深堀り法」は、「深層の原因」を掘り出していくために、WHYとHOWを質問に入れていきます。
最後に、「やる気スイッチ発見法」は、感情にフォーカスし、初心、未来、できていることに目を向けさせることです。
また、人を動かす質問の「5つのルール」として、著者は以下の5つを提示しています。
1.「7:3」の割合で、相手に話してもらう
2.「クローズド」と「オープン」の質問を使い分ける
3.質問で誘導しない
4.短い文で質問する
5.質問の目的、狙いを明確にする
さらに、生産性を上げる「4つのステップ」を以下の通り挙げていて、この順番が重要だ、と著者は言います。
◆ 現状分析・確認
◆ ゴール(目標)設定・共有
◆ 解決策・優先順位検討・確定
◆ 行動
この本の最後では、スティーブ・ジョブズもやっていたという「セルフコーチング」について解説しています。
これは自問自答して問題を解決したり、モチベーションを上げる方法です。
この本には、具体的な質問の仕方や、なぜその質問が必要なのかがわかりやすく、筋道を立てて解説されていて、部下のモチベーションアップに悩む管理職の方々には、ぜひお薦めしたい一冊です。
あなたも本書を読んで、「アゲる質問」と「コーチング」の組合せで、生産性・スピード・モチベーションを上げていきませんか。
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2021年2月19日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のYouTubeビジネススクール』【第185回】コーチングのプロが伝授する「アゲる質問」にて紹介しています。
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では、今日もハッピーな1日を!