靴を「身体を支え、歩行を助けるツール」だと捉えた場合、日本人の大半は間違った靴選びをしていると言っても過言ではない、と述べている本があります。
本日紹介するのは、ノンフィクション作家、放送作家のかじやま すみこさんが書いた、こちらの新刊書籍です。
かじやま すみこ『健康長寿は靴で決まる』(文春新書)
この本は、誰もが「自分にぴったりの靴」「ラクに歩ける靴」を探しているのに、そのニーズが満たされないのはなぜか、その問いの答えと、背景にある問題を、さまざまな角度から読み解いている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.あなたの足は健康ですか?
2.すべては足のアーチの崩れから
3.会わない靴は万病のもと
4.足にいい靴が見つからない理由
5.“ ぴったりの靴 ” を探し求めて
この本の冒頭で著者は、靴を選んで履く際に「やってはいけない行為」として、次のことを挙げています。
◆ 紐靴の紐をほどかずに、そのまま足を入れる
◆ スポッとかかとが抜ける靴を、「ま、いいか」と思って履いてしまう
◆ 靴ベラを使わず、かかとを踏みつぶすようにして革靴を履く
◆ 「今日はいつもより歩くから「ラクな靴にしよう」と大きめの靴を履いて出かける
著者のかじやまさんは「人生100年時代」の超高齢社会で、足腰の健康維持が健康長寿の鍵になる、と述べています。
そしていい靴の見分け方として、「自分の足に合った靴」であることを前提に、チェックしたい構造上のポイントとして、以下の事項が挙げられます。
◆ かかとにヒールカウンターが入っていて、しっかりしている
◆ 土踏まずの下の部分を支えるシャンクがソールに埋め込まれています
◆ 足指のつけ根(ボールジョイント)のあたりでソールが曲がる
◆ ソールに適度な堅さと弾力があり、左右に捻じれない
◆ 中敷きがツルツルとすべる素材ではない
◆ ヒールの着地面積が広い
◆ 紐やベルトで甲を固定できる(足にトラブルのある人に場合)
そしてこの本の最後には、著者が自分でぴったり合う靴を探して買い求める様子が具体的に紹介されています。
足を計測しても、228種類の中に自分に合う靴がなかったり、そもそも店にはEEやEEEなどの広いワイズの靴しか置いていないことが多い、ということです。
左右の足のサイズが違うことや、足は地面に立っているときよりも空中に上がるとワイズが細くなるもので、立った時にぴったりの靴を選ぶと、歩いた時には隙間ができてブカブカになるのです。
多くの人は、ゆったり靴は健康にいい、と誤解している人が男性でも女性でも大半ですが、それは間違いで、日本人は「靴が合う」という感覚がわからないそうです。
したがって、以下のような、世間では「常識」と言われる思い込みは、すべて誤解だ、とこの本では指摘しています。
◆「幅広靴は足にやさしく、痛くならない」
◆「外反母趾では、ゆったり靴がいい」
◆「柔らかくて軽い靴だと歩きやすい」
◆「ぺたんこのフラットシューズは疲れない」
「『靴は半医半商』と言われたように、靴屋はただの物販ではありません。足は変わっていくので、3カ月に1度はお客様の足を見て、靴をメンテナンスしていく必要がある。」と著者は言います。
少子高齢化が進む日本で、みんなが同じ流行を追いかけた大量生産・大量消費の時代は終わり、個々人のニーズに合った多品種少量生産に向かわざるを得ないでしょう。
これからの消費について、「あえて予測するならば、受注生産やネット通販が主流になる可能性は高い。膨大な在庫を各店舗に備えるのは無理があるからです。」と著者は述べています。
ヒトが生存するためには、自分の足で立って歩くことが非常に重要なのだそうです。つまり、未曽有の長寿時代を生き抜くには、靴を見直し、足を長持ちさせることがとりわけ大切になる、と著者は言います。
人生100年時代の超高齢社会では、足に合った靴を履くことが健康長寿の鍵になるのです。
あなたも本書を読んで、ほんとうに足に合った靴の選び方を学んでみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!