「いま私たちに必要なことは、“ 人間は何のために生きるのか ” という根本的な問いに真正面から対峙し、人間としてもっともベーシックな哲学、人生観を確立することだ」と説いている本があります。
本日紹介するのは、1932年鹿児島生まれ、鹿児島大学工学部を卒業し、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立、同社社長、会長を経て名誉会長を務めるかたわら、KDDIやJALの会長としても実績を上げた稲盛和夫さんが書いた、こちらの書籍です。
稲盛和夫『新装版 稲盛和夫の哲学 人は何のために生きるのか』(PHP研究所)
この本は、「“ 素晴らしい人生を送る ” にはそれにふさわしい考え方があり、それはどのようなものなのかということを、私たちは知る必要がある」という思いで書かれました。
本書は以下の21部構成から成っています。
1.人間の存在と生きる価値について
2.宇宙について
3.意識について
4.創造主について
5.欲望について
6.意識体と魂について
7.科学について
8.人間の本性について
9.自由について
10.若者の犯罪について
11.人生の目的について
12.運命と因果応報の法則について
13.人生の試練について
14.苦悩と憎しみについて
15.逆境について
16.情と理について
17.勤勉さについて
18.宗教と死について
19.共生と競争について
20.「足るを知る」ことについて
21.私の歩んできた道
この本の冒頭で著者は、「人生に対する考え方により、人生の結果が大きく変わることを、私たちは理解しなくてはなりません。」と述べています。
苦労を厭い、人生をおもしろおかしく過ごそうとした人や、世をすね、不平不満をもち、一生を過ごした人と、高い目標をもち、それに向かって明るく前向きに、一生懸命努力を重ねてきた人の人生とあいだには、大きな差が生じてしまうのです。
本書の中で述べられている稲盛哲学の中で、私がとくに共感して心に留めているものを以下に紹介します。
◆ 何が価値あるものなのか、それは現世を生きたときにつくりあげた人格、人間性、魂、意識体
◆ 宇宙の創造主は、いろいろな試練を人間に与え、それをどのように受け取って自分の心を高め、心の浄化をしていくのかを試している
◆ 全体を見回して、世の中がよくなるためにはどういう考え方をしたらよいかという「創造主の視点」が現代の社会では必要
◆ せっかくこの世に生まれたのだから、世のため人のために尽くそう
◆ 努力をするという「精進」、耐え忍ぶという「忍辱」の二つは自分で身につけねばならない
◆ 「人間としてやってよいことと悪いこと」をきちんと子供のときに教えなければならない
◆ 魂を磨く、つまり人間性を高め、素晴らしい人格を身につけることこそが、人生の本当の目的
◆ 布施、持戒、忍辱、精進の4つは、お釈迦様が2500年前に説いたこと
◆ 人生を形成する要素として、「運命」と「因果応報の法則」の2つがある
◆ 因果応報の法則とは、思いのままに結果が表れること
◆ 波瀾万丈の人生とは、よいときも悪いときも、創造主が私たちに与えてくれた「試練」
◆ 「悩む」のではなく、「深く考え抜く」
◆ 利己を離れ、まずは大義を打ち立てることが大切
◆ 競争も共生も、他者を認め、多様性を認めるという前提のうえに成り立つ
◆ 足るを知り、共生の思想をもつことは、私たち一人ひとりの人生を豊かにする
この本の最後に著者は、「私の歩んできた道」として、現在の哲学、考え方を持つに至った経緯を紹介しています。次のような出会いが多くな影響を与えています。
◆ 「生長の家」の谷口政晴さんの『生命の実相』にある「心に描いたとおりに結果が現われる」
◆ 「世のため人のため」というものが善き想念の最高のもの
◆ 善きことを思わなければいけない
◆ 仏教、禅宗の教えに影響
◆ 死は意識体の旅立ちでしかない、それは肉体の死であって魂の死ではない
あなたも本書を読んで、「人生の目的とは何か」「運命をどう考えるか」といった生き方の原点を問う「稲盛哲学」について、学んでみませんか。
2020年5月26日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第106回】名経営者「稲盛和夫の哲学」にて紹介しています。
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では、今日もハッピーな1日を