「子育ての一番の基本は、“ あなたが幸せでいること ” 。ただ、それだけです。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、現在は慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授の前野隆司さんが書いた、こちらの新刊書籍です。
前野隆司『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
この本は、子どもにかかわるすべての方に、「子どもを育むということを通して、こんなにも豊かな学びや成長があるんだ」「もっと力を抜いていいんだ」「生きるって、こんなに幸せなことなんだ」と感じられるようなメッセージを届けてくれる書です。
つまり、子育てのために大切だと、著者と著者の妻が思っている内容を、思う存分、しかしコンパクトに詰め込んだ本だ、と著者は述べています。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.幸福学が明らかにした「幸せの4つの因子」
2.「幸せの4つの因子」を高める4つの行動原則
3.悩みが消えて楽になる Q&A「幸福学」的に幸せな子育て
4.幸せな子育て期を過ごすためのトレーニング&ワーク
5.幸福学 ×「システム × デザイン思考」で、子どもと一緒に「今」と「未来」を描く
上記の構成からも分かるように、この本は、幸福学、教育学、心理学、システムデザイン・マネジメント学のエッセンスが詰まった本です。
はじめに著者は、ロボット研究者から「幸福学」の研究に移った経緯や、「幸福学」が発見した、以下の「幸せの4つの因子」について説明しています。
◆ 第1因子:「やってみよう!」因子(自己実現と成長)
◆ 第2因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝)
◆ 第3因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)
◆ 第4因子:「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)
これらの詳細については、前野隆司さんの著書『幸せのメカニズム』(講談社現代新書)に記されています。
そして、この4つの因子を、子育て中の親御さんにあてはめてみると、次のようになる、と著者は言います。
◆ 第1因子: 子育ても自分の夢も大事!とにかく「やってみよう!」
◆ 第2因子: あなた(子どもや親)がいてくれて、「ありがとう!」
◆ 第3因子: 思い通りでなくても、「なんとかなる!」から大丈夫
◆ 第4因子: 「ありのままに!」やったんだから、失敗してもOK!
この4つの因子は、日々のちょっとした動作や態度、そして思考法や物事のとらえ方を変えるトレーニングによって獲得できる、と本書では解説しています。
次に、幸福度は計測できることを説明していて、「幸福学の父」とも称されているエド・ディーナーらによる「人生満足尺度(SWLS ; the Satisfaction with Life Scale)」を、主観的な幸福度の総合指標として紹介しています。
さらに、筋トレのように、日々意識し続けることで幸福度を向上させることもできる、と説き、「一瞬で幸せになれる簡単な方法」を、以下の通り紹介しています。
◆ 猫背にならず胸を張る
◆ 下よりも上を向いて過ごす
◆ 口角を上げる
◆ (作り笑いではなく)心からの笑顔で笑う
◆ ハグやタッチングなどのスキンシップを心がける
◆ 呼吸に集中してリラックスする(深呼吸をする)
◆ ネガティブな発言をできるだけ避ける
また、「幸せな子育て」に不可欠な「家族の対話」を中心に、「幸せの4つの因子」を高める「4つの行動原則」を、本書では以下の通り、提示しています。
1.子育てのビジョンを持つ
2.ポジティブな受け取り方をする
3.夫婦間・家族間での対話を心がける
4.怒りの感情をうまくコントロールする
この本の中盤では、子育てに悩む母親からの質問に答えるQ&A方式で、「幸福学」的に幸せな子育てについて述べています。
また、途中に挿入されている、著者の妻・前野マドカさんによるコラムも、興味のあるテーマを分かりやすく解説されていて参考になります。
そして、幸せな子育て期を過ごすためのトレーニング法を、次の通り紹介しています。
◆ 「メタ認知」トレーニング
◆ 傾聴・対話トレーニング(聴く・尊重する・保留する・声に出す)
◆ マインドフルネス・トレーニング(今ここに・意識を向けて・リラックスする)
続いて、ポジティブになるワークとして、以下の7つを紹介しています。
1.上を向いて歩く
2.たくさん笑って、いつも笑顔でいる
3.呼吸を意識する
4.毎晩、眠る前に、今日あった良いことを3つ言う
5.リセットアイテムを決める
6.STOPネガティブワード
7.「I can/I like/I have/I am」ワーク
そのほか、一人でもできるトレーニング&ワークとして、次のようなものを挙げています。
◆ 満喫力を高めるトレーニング
◆ 感謝の日記
◆ 愛、感謝、ほめ言葉を伝える練習
◆ ありのままに受け入れる練習
◆ イラっとしてしまったときの練習
◆ 心のデトックスをする練習
◆ 多様なことをためす練習
これらのワークの詳細については、ぜひこの本を手に取ってお読みください。
このほかに、私も実践しているフーチャーコラージュ(未来を描く)として、「宝地図」も紹介されています。
あなたも本書を読んで、「幸福学」を踏まえた「幸せな人生を送る子どもの育て方」を考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を