「沈みゆく日本で、あなただけが “ 無双 ” 状態で働くには、どうすればいいのか。人生の “ 抜け道 ” を教えよう。」と提唱している本があります。
本日紹介するのは、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設して管理人となり、その後は多くの企業に携わって「ニコニコ動画」をはじめ大反響のビジネスを企画・実践している、ひろゆき(本名:西村博之)さんが書いた、こちらの書籍です。
ひろゆき『働き方 完全無双』(大和書房)
この本は、沈みゆく日本で、みんなと同じ働き方をしていては、全員が一緒にやられてしまうという問題意識のもとで、「無双状態で働く」ことを説明している書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.まずは「個人」と「社会」を分けるところから
2.能力なんてものは存在しない-個人の「攻め方」無双
3.あなたが社会に殺されないために-個人の「守り方」無双
4.会社がずっと生き残るわけないじゃん-経営者視点の「企業の論理」無双
5.日本はこうやって生き延びろ
この本の冒頭で著者は、どうして日本は「ヤバイ」(=詰んでいる)のか、について、次の3つの不況の原因を挙げています。
◆ インターネットで情報流通のコストが無料になった
◆ コンテナの発明で輸送費用がぐんと安くなった
◆ ゲーム理論的に正直に商売したほうがトクになった
こうした中で、「競争に勝ってお金を稼げる人」と「競争に負けてお金を稼げない人」の二極化は避けられない、と著者はいいます。
したがって、「別の生き方」として、「個人として、ワンチャンを狙いながら幸せを目指す」という生き方を本書では勧めています。
そこで著者の結論は、個人の「攻め方」「守り方」をマスターし、起業の「論理」を身につけて、業界としてよりよい「環境」に身を置くことです。
本書では「能力なんてものは存在しない」と言い切り、何か新しいサービスの上にいる人は、「たまたまそこにいる」というだけで突然、ゲタを履ける時期がある、と述べています。
世の中、何が当たるかはわからないものです。だったら、「新しいこと」にはとにかく首を突っ込んどけ、というのが著者の主張です。
また、「著述家が最強」説というのがあって、「会社を1個持っておくこと」を著者は強くすすめています。会社を持っておくと何でも経費にすることができるからです。
詳しくはぜひ、この本を手に取ってお読みください。とても分かりやすく仕組みが書かれていて、私も同感です。
続いてこの本では、「ブラック企業」から身を守る方法や、著者が以前からブログなどで発信している「ベーシックインカム」という制度について解説・推奨しています。
「ベーシックインカム」とは、最低限度の生活を保障するために、日本人全員にひとり7万円程度を配る制度のことで、失業しても生活ができます。
企業も解雇しやすくなるし、個人もブラック企業を辞めやすくなります。
そのほか、ひろゆき流の個人の生き残り戦略が説明されています。以下のような戦略です。
◆ さっさと寝る
◆ 「絶食」のすすめ
◆ 腰痛は冷やさないこと、肩凝りは筋トレで解決
◆ 依存をなくす
◆ 激しい運動より「歩け」
この本の後半に、経営者視点で、企業の「論理」を考えることが解説されています。著者の考え方のポイントは次の通りです。
◆ そもそも事業は「なくなるもの」である
◆ 「弱い個人」も戦える
◆ 「優秀なやつ」と「新しい産業」の足を引っ張るな
◆ 「行き過ぎた規制」が産業を潰す
◆ イス取りゲームではなく、「イスを増やす人」を応援せよ
◆ 死んでも「オワコン業界」は選ぶな
とくに「オワコン業界」については、銀行を例に挙げています。重要なのは、「あなたがいることで、売上の増減に影響があるかどうか」という点です。
そうした中で可能性がある分野は、「観光」と「IT」だと著者は言います。但し、無人バスの事故に対する反応を見ると、日本では規制で新しい産業が伸びない懸念がある、ということです。
セグウェイやドローン、仮想通貨と同じ運命をたどるのではないでしょうか。
本書の最後には、日本の生き残り策について、著者の考え方が記されていて参考になります。以下の指摘は、世界の事例との比較で論じているので説得力があります。
◆ オイシイ業界は「観光」だけ
◆ 他の国とは違った文化を持つ「歴史的な街」がオイシイ
◆ マーライオンの戦略に学び、「他の国にないもの」を作る
◆ 「雪山のサル」で食っていけ
◆ 「カジノ」は長期的に正しい
◆ セレブのための「箱」を作れ
◆ 国内向けサービスは短い時間に集中して仕事をして生産性を上げる
◆ 海外の「安い労働力」を入れるな
この本の巻末には、付録として、「おすすめ観光リスト」、「おすすめ映画リスト」、「ベーシックインカム案」の3つが記されています。著者の想いがよく分かります。
テクノロジーの進化、とくにAI や I o T などにより、私たちのルーティン業務は取って代わられ、人材がコモディティ化していきます。
あなたも本書を読んで、「完全無双状態で働く」ことを考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を