世界でも稀に見る「老人大国」になった日本の大問題である「少子超高齢化」について、ともに日本のオピニオンリーダーである70歳の漫画家と60歳の政治家が対談で、問題の本質を明らかにしていく本があります。
本日紹介するのは、『課長 島耕作』などの人気連載を多く持つ人気漫画家の弘兼憲史さんと、10期連続当選の衆議院議員で初代地方創生・国家戦略特別区域担当大臣を務めた石破茂さんの対談を書籍化した、こちらの本です。
弘兼憲史・石破茂『どうする?どうなる?ニッポンの大問題 少子 “超” 高齢化編』(ワニブックス)
この本は、弘兼憲史さんの政治家を描いた人気漫画『加治隆介の議』の取材が縁で知り合った自民党・衆議院議員で総理候補の石破茂さんと弘兼さんとの対談形式にて、日本の少子超高齢化問題を論じている書です。
本書は以下の5部構成から成っています。
1.“超” 高齢化社会を考える
2.“超” 高齢化社会にどう向き合うか
3.少子化問題には国家の存亡にも関わる
4.地方活性化への模索
5.地方から革命を起こして日本を元気に!
この本の冒頭で、石破茂さんが逆風の選挙で、敢えて「消費税は必要」という正論を主張して選挙を戦い、記録的な得票数で当選したエピソードが紹介されています。
日本の少子高齢化による年金など社会保障問題は、その本質が徐々に理解され、日本の国民はきちんと話せばわかってもらえる、と対談では述べています。
その他、以下のような論点は、今後の日本の進路を考えていく上で、貴重な示唆になっています。
◆ 社会保障の充実には消費税増税しかない
◆ 年金支給者の数を減らすしかない
◆ 人生に往復切符はない(行きっ放しなので、やりたいことをやってダメなら仕方ない)
◆ 今の「高齢化社会」とは、「団塊の世代の高齢化」
◆ 「高齢者」の定義を「70歳以上」に引き上げる
◆ 長寿であることがほんとうに幸せか
◆ 「病院死」よりも「在宅死」を選んでいく
◆ 2030年問題は、団塊世代が80歳を超えてバタバタ死ぬ頃
◆ 老後は友達も減らし、生活レベルを落とすべき
◆ 「在宅死」で死に様を見せるのも団塊世代の務め
自ら「団塊世代」の70歳である弘兼さんの、団塊世代には厳しい「極論に思える意見」もありますが、今の少子“超” 高齢化社会を考える上で本質的な議論かも知れません。
また、定年後の過ごし方、あり方についても、本音が次のように語られていて参考になります。
◆ 早めにリタイアしちゃった人ほど老け込むのが早い
◆ 働いていれば、心地よいストレスが常にある
◆ 年を取っても好きな仕事を続けること
◆ 何をしてもらうかではなくて、何かをする高齢者になる
◆ 老後の究極の有償ボランティアは地方議員
さらに、日本という国のあり方について、対談では以下のような議論が展開されていて、注目されます。
◆ 「日本人」になれる外国人の受け入れを
◆ 年を取っても異性との交流は絶対必要
◆ 人口に比例する国力と防衛力
◆ 高齢者に仕事、若者には高賃金、その両立を
◆ 地方でも海外からの投資を呼び込むべき
この本の最後で石破茂さんは、「いまは有事である」という持論を紹介しています。「有事」というと「国防」と直結する話と思われますが、ここでいう「有事」とは、出生率の低下と、それに伴う人口減少が国家に与える危機のことです。
明治時代半ばの人口4000万人の時は、高齢者の割合はごくわずか、第二次世界大戦後の1950年でも日本の全人口に占める65歳以上の割合はわずか4.9%でした。
現在は、高齢者の割合25%を超え、人口減少はこれから加速していきます。中欧政府に任せておくのではなく、地方の真摯な取り組みこそが国を変える、「地方創生」を進め、その集積で「日本創生」につなげる、というのが石破さんの提唱していることです。
あなたも本書の対談を読んで、ニッポンの大問題「少子 “超” 高齢化」について、改めて考えてみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を