書評ブログ

『本物の思考力』

常識のように語られていることも「数字・ファクト・ロジック」で考えれば、思い込みや固定観念によるものだということがわかる、と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、ライフネット生命会長で、多数の著書がある読書家出口治明さんが書いた、こちらの新刊新書です。

 

 

出口治明『本物の思考力』(小学館新書)

 

 

この本は、ゴシップや流言飛語に惑わされす、物事を正しく判断するにはどうすればいいかを、以下のような著者が実践する方法徹底的に解説した書です。

 

 

◆ 「人・本・旅」から情報を収集する

 

◆ 物事をゼロから捉え直す

 

◆ 腹に落ちるまで考え抜く

 

◆ 自分なりに本質を見通すことができる澄んだ目を持つ

 

◆ 物事をフラットに判断できるようになる

 

◆ リテラシーを高める

 

 

 

本書は以下の5部構成から成っています。

 

 

1.根拠なき「常識」が蔓延する日本

 

2.日本の教育を再考する

 

3.腹に落ちるまで考え抜く

 

4.怠け癖には「仕組み化」

 

5.構想する力

 

 

本書の前半で著者は、高度成長時代を現出させた三条件(=①冷戦、②人口の増加、③製造業が牽引する開国・富国モデル)がすべて消失しまっていることを指摘しています。

 

 

そして、日本の長時間労働が問題なのは、長い時間、職場にいることありき(それがロイヤリティが高い証拠と見なされる)で生産性向上にはほとんど寄与しないことです。

 

 

本書では、「大多数の人を長期間騙すことはできない」と指摘して、フランスの作家であるロマン・ロランが、著書『ミケランジェロの生涯』(岩波文庫)の中で述べている、次の言葉を紹介しています。

 

 

「世界に真の勇気はただ一つしかない。世界をあるがままにみることである。そうしてそれを愛することである。」

 

 

また、働き方について著者は、「定年制の廃止」を提唱していて、それは、医師に「どうすれば健康寿命を延ばせますか」と問うたときに、全員の答えが、「働くこと」だったからだそうです。

 

 

これは私も全く同感で、「生涯現役」の働き方こそが、最も健康に人生を完全燃焼させる方法だと確信しています。そのために、起業して好きなことを仕事にするのが最も王道であると私は考えています。

 

 

本書では、定年制がなくなれば、人材の流動性も高まり、「一括採用・終身雇用・年功序列・定年」という、戦後日本のワンセットのガラパゴス的な労働慣行がなくなり、企業の雇用システムが正常化される、と述べています。

 

 

また、本書の後半では、「なぜ、学ばなければいけないのか」という問いに対して、大佛次郎賞を受賞した名著『磁力と重力の発見』(みすず書房)の著者である山本義隆さんの、次の言葉を、「学ぶ理由」として紹介しています。

 

 

「専門のことであろうが、専門外のことであろうが、要するに物事を自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を表明できるようになるため、たったそれだけのことです。そのために勉強するのです。」

 

 

本書の後半では、著者の出口さんの持論で、他の著書でも繰り返している、次のことを提唱しています。

 

 

◆ 人・本・旅から学ぼう

 

◆ 自分の頭で考え抜くことを習慣にして、勉強を積み重ねよう

 

◆ 一瞬で判断できない人は、インプットが足りない

 

◆ 考えたり、判断したりするときに信用できるものは、「数字・ファクト・ロジック」のみだ

 

 

◆ 人間はみんなアホであり、チョボチョボである

 

◆ おもしろい、だからやる!

 

◆ 正論にかなう論理はない

 

◆ あなたが何歳でも、いまこの瞬間がいちばん若い

 

 

あなたも本書を読んで、「数字・ファクト・ロジック」で、「腹落ち」するまで考え抜いてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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