定年前起業という生き方

定年後の不安を感じている人々が日本では急激に増えています。団塊の世代がいよ
いよ65歳になって職場から去るようになってきたからです。

 

当初は団塊の世代が60歳定年になる「2007年問題」が騒がれました。都心部の
オフィス・スペースが大量に余ってビルの空室率が急激にアップすると心配されたから
です。

 

ところが実際には、60歳定年となった団塊世代サラリーマンの大半が退職再雇用
いう形で、そのままオフィスに残りました。

 

年収は大きく下がり、責任あるポストからは外されて年下の部下の下で単純作業しか
仕事が無くても働かざるを得なかったのです。

 

年金財政は破綻が目前と言われていて、将来的に年金は当てにできないという認識が
広がっています。また親の介護問題や自分たちの医療費負担や消費税増税や社会
保険料の負担増加など、将来不安の種は尽きません。

 

そうした中、60歳代以降は新たに働く場を求めても殆ど満足できる仕事や職場がない
ということに皆、気付き始めています。ビルの清掃や駐車場管理など、時給の安い単純
な作業の仕事しか中高年には求人がありません。

 

元の職場で定年退職再雇用で働き続けるのが最もマシな選択肢ということになってい
ます。しかしそれも65歳で打ち止めという会社が現在は殆どで、その先元気で働きた
い意欲はあるけど働く場が見つからないのが多くの団塊世代の方々の現実です。

 

住居も退職金などによる貯金もある人はまだ恵まれている方ですが、それでも「健康や
生きがいのために仕事を続けたい」と悩む人は多いのが現状です。

 

親の介護や子供の教育費負担などで蓄えもなく、自宅も賃貸住宅で家賃負担もある
定年退職者の人たちも多くいます。そうした方々は生活のために仕事を続けざるを得
ませんし、納得いく仕事はまず見つからないということで悩みは深いのです。

 

そうした現状をきちんと直視して、また将来の年金制度の動向も冷静に予測した上で、
定年退職後の人生について計画的に準備していく必要がある、というのが私の思い
です。

 

日経ヴェリタス誌では、特集企画の中で、そうした活動を「定活」と呼んでいます。
就職活動を「就活」、結婚に向けた活動を「婚活」というのになぞらえて決めました。

 

 

いずれにしても定年後の中高年に向けた仕事がないのであれば、自ら仕事を作り出す
方が確実だしリスクも少ないと私は考えています。

 

そこで私が提唱しているのが「定年前起業」という働き方です。その定義やコンセプト
は以下の通りです。

 

1.会社員として働き続けながら起業に向けての準備を計画的に進めていく
2.これまでの自分の人生を振り返り、「好きなこと」を明確にする
3.自分は何の専門家として独立起業するかという「ブランディング」を考える
4.インターネットによる個人としての「情報発信」をしていく
5.現在の会社員としての仕事も将来の起業に役立つスタイルに変えていく
6.多くの起業をめざす仲間との交流を積極的に行う
7.生涯現役として「好きなこと」を仕事にできるビジネスモデルを構築する
8.自分に足りないスキルを学び、「定年前起業」を実現する

 

私自身もそうでしたが、中高年世代が起業を知る場合にはいくつものメリットや成功す
るためのコツがあります。

 

例えば、人生やビジネスマンとしての経験や知識が若い人よりは多く持っているので、
起業のリスクはそれだけ少なくなります。

 

また会社員としての安定収入をそのまま得ながら起業による副収入を獲得していくこ
とをまずは目指していくので、経済的なリスクも最小限に抑えることが可能です。

 

会社によっては副業禁止規定の問題などもあるので、留意して進める必要はあります
が、それもちょっとしたコツや知恵がありますので、お気軽に相談いただければと思い
ます。

 

私が「定年前起業」を薦める一番大きな理由は、「好きなこと」を仕事にして、しかも
「生涯現役」で働けることです。まさに「自分が主役の人生」を、あなたも私と一緒に
めざしていきませんか。

 

では、今日もハッピーな1日を!