『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』

2020.07.02 (木)

2019年8月に47歳の若さでこの世を去った瀧本哲史さんが8年前の6月30日に行った伝説の「東大講義」完全収録した書籍が刊行されました。

 

 

本日紹介するのは、東大法学部を卒業後、大学院をスキップして助手に採用されるも、マッキンゼーに転職し、3年で独立して日本交通の経営再建を手がけながらエンジェル投資家として活躍、その後、京都大学にて「起業論」の講義を担当するなど多面的な活躍をしてきた瀧本哲史さんの講義を完全収録した、こちらの書籍です。

 

 

瀧本哲史『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書)

 

 

この本は、2012年6月30日に東京大学の伊藤謝恩ホールにて行われた「伝説の東大講義」(参加資格を29歳以下に限定して約300人の10代・20代の若者が全国から参加)ライブ盤のように完全収録・書籍化したものです。

 

 

 

本書は以下の6部構成の講義(6つの「檄」)から成っています。

 

 

1.人のふりした猿にはなるな

 

2.最重要の学問は「言葉」である

 

3.世界を超える「学派」をつくれ

 

 

4.交渉は「情報戦」

 

5.人生は「3勝97敗」のゲームだ

 

6.よき航海をゆけ

 

 

 

この本の冒頭で著者は、エンジェル投資家で本来、表に出ないほうがいい業種にもかかわらず、考え方を変えて「本を書く」ことにした理由を、以下のように語っています。

 

 

◆ ダメな日本に残存して、カリスマモデルではなく、「武器モデル」で日本を変えたい

 

◆「みなが自分で考え自分で決めていく世界」をつくっていくのが、国家の本来の姿

 

◆ 仏教の「自燈明」(=自ら明かりを燈せ)が大事

 

◆ ジョージ・ソロスの「コピー機バラまき作戦」の成功に学ぶ

 

 

 

◆「武器」や「軍事顧問」という発想

 

◆ 本は100万部より価値のある10部(=10人が本を読んで行動し世の中を変える)

 

◆ 残酷な高度資本主義社会の中でサバイブするために必要な思考と知識を「武器」として配る

 

◆ 理想は、時間をかけて売れ続けいる200万部のベストセラー『思考の整理学』(外山滋比古 著・ちくま文庫)

 

 

 

そして、自ら「考える」人間になること、そして人の話を聞いたり読んだりして終るのではなく、「行動」しよう、と呼び掛けています。

 

 

 

続いて、正解のない世の中では、「自分の人生は自分で決める」ことが大切だ、と著者は述べて、次の「武器」を授けています。

 

 

◆「思考の枠組み」であるリベラルアーツを学ぶ

 

◆「ロジック」(論理)と「レトリック」(修辞=いかに魅力的に伝えるか)の両方が必要

 

◆「言葉マニア」になる

 

 

 

本書の中盤では、世界を変える「学派」(=ゆるいつながり)をつくることと、交渉の本質(=情報戦)について伝えています。ポイントは以下の通り。

 

 

◆ パラダイムシフトとは世代交代

 

◆ 若い人たちが正しい選択をすれば、いつか世の中は変わる

 

◆ 交渉とは、いかに相手から「情報」(=相手の立場、利害、気持ち)を引き出すかが勝負

 

◆ アンカリングの魔力に騙されない

 

◆ 変わらない相手は「サル」だと思え

 

 

 

この中で、それまでの常識が大きく覆って新しい常識に変わることを「パラダイムシフト」と呼んで最初に使ったトーマス・クーンという科学史の学者について、次の著書を紹介しながら解説している部分が印象的です。

 

 

 

この本の中で、ガリレオ・ガリレイによる「天動説」から「地動説」への大転換がまさに「パラダイムシフト」ですが、それは世代交代によって起こったということです。

 

 

 

ニュートン力学ダーウィンの進化論など、歴史上起こった科学革命は50年とか100年という長い期間をかけて、世代交代によってパラダイムシフトが起こってきた、というのがトーマス・クーンの結論です。

 

 

 

さらに、「人生は3勝97敗」であると述べて、自分なりの仮説をどんどん試して行動し、多様性のある仲間と「ゆるいつながり」を持つことをこの本では提唱しています。

 

 

 

本書の終盤では、質疑応答を行い、自分で自分の人生を決めるために、ユニークで、他に負けない情熱を持って取り組めることを見つけて取り組むこと、「戦う理由」をとことん考えることを伝えています。

 

 

 

瀧本さんが若者に向けて「武器」を授けた著書として、以下の本もぜひ併せて読まれることをお薦めします。

 

 

 

 

 

 

最後のメッセージとして著者の瀧本さんは、すれ違う船の船長がお互いに使う挨拶として、次の言葉を送っています。

 

 

「ボン・ヴォヤージュ(bon voyage)」

 

 

 

これはフランス語で、「よき航海をゆけ」という意味ですが、自分の船を持って「自分の判断でリスクを取っている」船長しか使わない挨拶だそうです。

 

 

 

そうした「自立した人間」同士が、相手に対する敬意を込めて、「よき航海を」という言葉だけを掛け合うということ。

 

 

 

自分の人生で、「船長になるのか船員になるのか」を最後に問いかけ、瀧本哲史さんは若者たちに「ボン・ヴォヤージュ」と挨拶して講演を終了しました。

 

 

 

著者の瀧本さんは昨年、47歳の若さで帰らぬ人となり、本当に残念です。心からご冥福をお祈りするとともに、志ある若い人たちに、温かく力強いメッセージとして伝わることを期待して、本書を心から推薦します。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!【2439日目】

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