書評ブログ

『シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか』

「まさにいま、日本に “ 新しい大人市場 ” という従来にない成長市場が誕生しようとしている。」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、早稲田大学商学部を卒業後、博報堂に入社し、その後同社にて「新しい大人文化研究所」を設立し、所長を経て現在は統括プロデューサーを務める阪本節郎さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

阪本節郎『シニアマーケティングはなぜうまくいかないのか-新しい大人消費が日本を動かす』(日本経済新聞出版社)

 

 

この本は、日本の成人人口(20歳以上人口)1億人の半数以上が50歳以上になっている現代の日本社会においては、「新しい大人市場」という従来にない成長市場が誕生しようとしていることを提唱しています。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.若者から大人への重心移動

 

2.シニアマーケティングはなぜつまづくのか

 

3.「新しい大人」は何が新しいのか

 

4.「新しい大人市場」の潜在力

 

5.「新しい大人市場」 各カテゴリーの生活革新による進化-高齢社会から新しい大人社会へ

 

6.クロスジェネレーションが日本の未来を開く

 

 

この本ではまず、世界的に見ても急速に変化している日本の「人口構造」の変化をきちんと理解して、今までの常識を捨てて次のようなポイントを考えることが重要だ、と述べています。

 

 

◆ すでに大人の2人に1人は50代以上

 

◆ シニアには「シニア」は受けない

 

◆ みな「自分だけは若い」と思っている

 

◆ 会社はリタイアしても、社会がリタイアしない

 

◆ 団塊世代と20代の意外な共通点とは?

 

◆ 50+世代が流行を牽引する

 

 

本書では、50代以上のマーケットは、もはやシニア市場といった「スキマ市場」ではなく、消費人口のメインとなるマーケティングが必要だ、と説いています。

 

 

また、2020年の東京オリンピックに向けて、世界が「日本の高齢社会対応」に注目しており、経営学者ドラッカーが予言した通り、「日本は世界のモデルになる」可能性を秘めています。

 

 

したがって、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた時代には「高品質」によって世界に注目された日本ですが、これからは「人口の構造変化対応」によって、グローバルに注目されるようになるでしょう。

 

 

そして、この「人口の構造変化対応」について、日本では生活者の意識変化が起きていることがポイントになる、と本書では分析しています。

 

 

すなわち、50代以上の変化というのは、「定年」と「子どもの独立」という、2つの大きなライフイベントを通して、これまでの「ファミリー」を一旦卒業し、新たなライフステージに進化する、ことになります。

 

 

本書の中盤以降では、この「新しい大人市場」について、次のカテゴリーごとに生活革新による進化が具体的に紹介されています。

 

◆ おカネ

◆ 食

◆ エンタテイメント

◆ 健康

◆ 介護

◆ 旅行

 

◆ クルマ

◆ ファッション

◆ メディア

◆ 住

◆ 社会貢献

◆ ライフスタイル

 

 

それぞれの変化については、母娘の関係、個人型消費、情報縁など、興味深い分析や視点が数多く提示されています。ここでは敢えて詳細を紹介しませんので、興味ある方はぜひ、本書をお読みください。

 

 

この本の最後には、世代間における支援の仕組みである「クロスジェネレーション」の提案がなされています。どの世代にとってもプラスになる取り組みとして、また急激な「人口構造変化」への対応モデルとして、世界の高齢化にも貢献できる日本の智恵になるのではないかと期待されます。

 

 

さらに、「生産年齢人口減少」へのソリューションとして、「セミリタイア」が消費マインドを作り、「若い人のメンターになる」といった役割が、これからの50代以降には期待されます。

 

 

本書の結論は、一旦ファミリーを卒業した50代以降が、「コミュニケーション」をキーワードとして、新たな人間関係に入っていくことで消費を牽引していく、ということです。

 

 

すなわち、大人の「二人」「仲間」「母娘・新3世代」という「新たなコミュニケーション」が消費を生んでいく、と著者は予測・分析しています。

 

 

あなたも本書を読んで、「新しい大人消費が日本を動かす」ことを学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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