『生涯投資家』

2017.09.18 (月)

「私は制度を作る側にいるより、プレーヤーとして日本を変えたいと思った。制度を作っても、実践するプレーヤーが日本にはいなかったからだ。」と述懐し、通産省を辞めて投資家になった男の思いと半生を描いた書があります。

 

 

本日紹介するのは、通産省などで16年強、国家公務員として務めた後、ファンド運営を行い、現在はシンガポール在住投資家である村上世彰さんが書いた、こちらの新刊書籍です。

 

 

村上世彰『生涯投資家』(文芸春秋社)

 

 

この本は、村上ファンド(株式会社M&Aコンサルティングとして設立)を運営して、日本の株式市場に大きな影響を与えた村上世彰さんの、生来の投資家としての志や考え方を描いた書です。

 

 

この本を読むまで私自身も正確に理解していませんでしたが、村上さんはファンドとしての利益追求だけを目的としていたわけではなく(もちろん利益追求は前提だが)、上場企業のあるべき姿を追求し、正すべきことを指摘して会社経営のあり方を変えていく、株主の方を向いたコーポレート・ガバナンスを追求するために活動していました。

 

 

 

本書は以下の11部構成から成っています。

 

 

1.はじめにーなぜ私は投資家になったか

 

2.何のための上場か

 

3.投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス

 

4.東京スタイルでプロキシーファイトに挑む

 

5.ニッポン放送とフジテレビ

 

6.阪神鉄道大再編計画

 

 

7.IT企業への投資ーベンチャーの経営者たち

 

8.日本の問題点ー投資家の視点から

 

9.日本への提言

 

10.失意からの10年

 

11.おわりに

 

 

 

この本の冒頭で著者は、そもそも自分が投資家になったのは父の影響で、投資の哲学や経験だけでなく、大切な人脈など、いろいろなものを受け継いだ、と述べています。

 

 

そして、投資家の資質というのは、3割はDNA的に受け継ぐもので、7割は経験だと思う、言います。

 

 

著者の村上さんの投資は徹底したバリュー投資で、保有している資産に比して時価総額が低い企業に投資する、というきわめてシンプルなものだ、と本書で説明しています。

 

 

著者によれば、こういう会社は経営に問題を抱えていることが多々あり、その問題を株主の立場から働きかけて改善しようとすると、「ハゲタカファンド」と批判される、ということです。

 

 

この本では、村上ファンドが投資を拡大させていた時期に、株式市場で大きな話題となった、以下の事件(ニュース)について、投資の真意や、村上さんが投資家として追及してきたことは何だったのかが、分かりやすく説明されています。

 

 

◆ 昭栄に対する日本初の敵対的TOB

 

◆ 東京スタイルに対するプロキシーファイト(議決権争奪戦)

 

◆ フジテレビを傘下に持つニッポン放送株への投資

 

◆ 阪神鉄道株への投資

 

 

 

本書の最後で著者は、この本を書くことになった経緯を述べています。村上ファンドとしての投資や株主として投資先の経営に対する提案や要求などが、ファンドの利益追求のみを目的としていると、大きな誤解をされていることを払拭し、真意を伝えたい、ということです。

 

 

著者の村上さんや村上ファンドが目指してきたものは、「コーポレート・ガバナンスの浸透と徹底」であり、日本にとって大切なのは「資金の循環」で、それは投資を中心として起こる、ということです。

 

 

株式を上場するということは、①株式の流動性が上がる(換金しやすくなる)、②資金調達がしやすくなる、ということで、この2つが必要ない場合には上場する必要もない、と著者は言います。

 

 

そして、上場するということは、誰でも株を買って株主になれるということであり、上場している会社の株式は誰でも売買できる、と本書では強調しています。

 

 

あとがきで著者は、自分の子どもたちが、いろいろな迷惑をかけてきたにも関わらず、自分と同じように「投資」の世界に入っていったことを紹介しています。

 

 

今回、この本を出版することになった目的も、メディアから決めつけられ、誤解されたまま叩かれ続けたままでは、家族も辛い思いをするだけなので、きちんと主張すべきことを公開して、世の中に伝えることだったそうです。

 

 

あなたもこの本を読んで、上場企業を経営することの意味を改めて問い直し、投資について考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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