『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』

2018.06.06 (水)

「かつては、企業が社員を不幸にすることで競争に勝てる時代がありました。しかし、もうそれは限界です。逆に、これらは、働く人を幸せにできる起業しか生き残れない。」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、慶應義塾大学大学院教授前野隆司さん、経営学博士株式会社ENSOU代表取締役小森谷浩志さん、ソニーに42年間勤務後し、現在はホロトロピック・ネットワークを主宰する天外伺朗さんの共著である、こちらの新刊書籍です。

 

 

前野隆司・小森谷浩志・天外伺朗『幸福学×経営学 次世代日本型組織が世界を変える』(内外出版社)

 

 

この本は、「企業は何のために存在するのか?」という疑問は、「人は何のために働くのか?」、あるいは「人は何のために生きるのか?」という次のステップの疑問につながると問題提起をし、その答えは「幸せになるため」と提示している書です。

 

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

 

1.幸福学が経営を変える

 

2.働く人の幸せを追求するホワイト企業大賞受賞企業の物語

 

3.これまでの経営学 これからの経営学

 

4.ホワイト企業への道-The White Company Way

 

 

 

このほんの冒頭で共著者のひとり、前野隆司さんは、「会社の経営で一番大事なこと」について、あなたは次のどちらの考えを支持しますか、と問いかけています。

 

 

◆ 社員全員を幸せにすること

 

◆ 会社の利益を確保すること

 

 

幸福学の研究者および実践者である前野教授は当然、前者の「社員全員を幸せにすること」という立場ですが、「こんな質問をすること自体が間違っている。」とか、「会社は第一に、社会のために存在するのであって、そこで働く社員のために在るわけじゃない。」という、後者を前提とする批判的な答えが数多く寄せられて、SNSの投稿は炎上したそうです。

 

 

そうした世間一般の見方がある中で、本書では、これからの経営のあり方をテーマとし、幸福学の観点から経営をとらえ直しています。

 

 

 

幸福学は、幸せの姿は多様でも、幸せに至るメカニズムは共通ととらえ、そのメカニズムを体系として理解することで、幸福学を誰もが実際に活用でき、もっと直接的に人の役に立つ実践的な学問にすることを目指しています。

 

 

 

そもそも「幸せの定義」については、古代ギリシャ・ローマ時代から知られる2つの考え方があり、「ヘドニズム」(hedonism)「ユーダイモニズム」(eudaimonism)で、それぞれ「快楽主義」「幸福主義」と訳されています。

 

 

 

この2つの概念の違いタイムスパンの長短にあります。前者は、気分や感情といった短期スパンの心の動きで、英語の happy および happiness です。

 

 

一方、後者は「意義ある人生としての幸せ」で、ロングスパンにわたる心の状態を表わし、英語では well-being が使われます。

 

 

この後、何が人を幸せにするのかについて、「フォーカスイリュージョン」(=間違った方向を目指してしまう)や長続きする幸せ長続きしない短期的な幸せの違いなどを説明しています。

 

 

 

次に、幸せの因子分析によって、以下の4つの因子があると紹介しています。

 

 

1.「やってみよう!」因子(自己実現と成長の因子)

 

2.「ありがとう!」因子(つながりと感謝の因子)

 

3.「なんとかなる!」(前向きと楽観の因子)

 

4.「ありのままに!」(独立と自分らしさの因子)

 

 

 

これらの因子を持っている幸福度の高い社員ほど、「創造性が高く、仕事の効率も高く、求められた以上の働きやソーシャルサポート(困っている同僚などへの手助けや食事に誘うなど物質的・心理的支援)を惜しまない、欠勤率や離職率は低く、上司や顧客から高い評価受ける傾向がある」ということが海外の研究結果で明らかになっています。

 

 

「幸福度」、すなわち幸せの度合いは、計測できるようになってきており、幸福感のような主観的な概念でも、アンケート調査により、客観的・統計的に捉える「幸せの計測」がなされているのです。

 

 

 

さらにブラック企業社会問題となる中で、社員の幸せ働きがい社会貢献を大切にしているホワイト企業の場合に、以下の3つの因子が追加される、と著者は解説しています。

 

 

◆ 「いきいき」因子

 

◆ 「のびのび」因子

 

◆ 「すくすく」因子

 

 

「いきいき因子」は、いまの仕事やその会社で働くこと自体に喜びや楽しさを感じているという、直接的な働きがいに関連する因子です。

 

 

「のびのび因子」は、互いを尊重し合う自由かっ達な社風の中でのびのびと仕事ができているか、ということ。

 

 

「すくすく因子」は、自分の成長をどれだけ実感できているかを表す因子です。

 

 

 

会社や組織全体の幸福度を高めるには、これら因子を踏まえた取り組みが有効だと、本書では述べていますが、基本的なポイントとして、以下の3点を挙げています。

 

 

1.権限の委譲

 

2.密なコミュニケーション

 

3.「ストレッチゾーン」に相当する、ちょうどいい難易度の仕事を任せる

 

 

 

続いて、働く人の幸せを追求するホワイト企業大賞を受賞した企業の物語が紹介されています。以下の4企業です。

 

 

◆ 西精工株式会社(徳島県徳島市)

 

◆ ぜんち共済株式会社(東京都千代田区)

 

◆ 有限会社アップライジング(栃木県宇都宮市)

 

◆ ダイヤモンドメディア株式会社(東京都港区)

 

 

それぞれの企業のストーリーはいずれも心打たれる、驚くばかりの経営です。興味ある方は、ぜひこの本を手に取って詳細をお読みください。

 

 

 

本書の後半では、これまでの「経営学」の変遷と、これからの「経営学」について、整理して解説されています。

 

 

まず経営学がもたらした3つの病を、以下のように指摘しています。

 

 

◆ 手法病: 手法が目的化する

 

◆ 計画病: 定量化が重視され、計画だけで実行されない

 

◆ 分離病: 孤立や対立の文化がはびこる

 

 

 

そうした中で、これからの経営学の4つのヒントとして、次の4つを提示しています。

 

 

1.自覚: 深く自らを認識し、感じとる

 

2.共鳴: 内から湧き上がってくる使命を原動力に、同僚を「同苦」を味わう仲間に

 

3.小欲: 利益はあくまでも結果として捉える

 

4.畏敬: 自己を超えた大きな関係性の中で自分(たち)をとらえる

 

 

 

この本の最後には、「ホワイト企業大賞」が発足した経緯や、日本型経営を改めて見直すことの重要性が記されています。

 

 

ソニーの設立趣意書「自由闊達にして愉快なる理想工場」を例に挙げたチクセント・ミハイ博士「フロー理論」を紹介し、創業期のソニーの躍進を解説しています。

 

 

 

また、日本に帰化したアメリカ人経営学者ジェームス・C・アベグレン次の2冊の著書も紹介しています。

 

 

 

アベグレンが指摘している日本独自の経営の素晴らしさをベースにしながら、この本では、今後、日本独自の経営学の樹立には、「幸福学」からの貢献が欠かせない、と述べています。

 

 

あなたも本書を読んで、「幸福学」を軸とした次世代日本型組織世界を変える可能性を実感してみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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