書評ブログ

『弱者でも勝てるモノの売り方 お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門』

広告に多くのお金をかけられない人に、これ以上やさしく書けないくらい分かりやすくストーリーで解説した弱者でも勝てるマーケティング入門の本があります。

 

 

本日紹介するのは、法政大学社会学部を卒業一橋大学大学院社会学研究科を修了の後、環境創造企業の株式会社エステムを経て、星野リゾートに入社し、星野佳路社長マーケティング志向に感銘を受け、その思想を体現すべく、北海道のスノーリゾート「トマム」マーケティング部門で実績を上げ、現在はマーケティング戦略コンサルタントとして活躍する上杉惠理子さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

上杉惠理子『弱者でも勝てるモノの売り方 お金をかけずに売上を上げるマーケティング入門』(ぱる出版)

 

 

この本は、「マーケティングってそもそも何?」のレベルから、「弱点を強みに変えるSWOT分析」まで、商品・サービス(モノ)が売れずに困っているすべての人に対して、SNS時代に対応したマーケティングの基礎ストーリー仕立て分かりやすく解説している書です。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.店主エミがやらかしたマーケティング的にマズい3つの行動とは?

 

2.喫茶店ワーグナーの「強み」を3C分析で掘り起こす

 

3.STP分析で見つけたエミの理想のお客さん

 

4.4P分析でワーグナーのすべてをお金に換える

 

5.資金ゼロからのSIPSプロモーション戦略

 

6.クロスSWOT分析で「弱み」を「強み」に変える

 

7.マーケティングに終わりなし 進化し続けるためのツール

 

 

 

この本は、次の3種類の方々特にオススメしたい書です。

 

 

1.マーケティングの基礎を学びたい人

 

2.マーケティング・セールス・企画・商品開発・広告・宣伝の担当者

 

3.経営者や、個人の事業主・実業家

 

 

 

そして特長として、以下の点が挙げられます。

 

 

◆ できる限り専門用語や難しい理論は省き、「これでもか!」というくらい優しく書いた

 

◆ たとえばSNSなどのように「お金をかけず、売上を伸ばせるモノの売り方」にしぼって紹介している

 

 

 

さらに、経営学の大家ピーター・ドラッカーが著書『マネジメント』で語った「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」というセリフを紹介し、「売らずに売れる」状況を創るのがマーケティングと解説しています。

 

 

 

効果的なマーケティングができると、次のようなプラスの状況をたくさん創り出せる、と著者は述べています。

 

 

◆ お客様自ら買ってくれるので、お客様と良好な関係を築ける

 

◆ 自社の商品・サービスが口コミで広がる

 

◆ 広告や営業にかかる経費を削減できる

 

◆ 価格競争に巻き込まれず、売りたい価格で売れる

 

◆ 利益確保により新商品開発・人材育成・事業拡大に投資ができる

 

 

 

著者の上杉さんは、かつて勤めていた星野リゾートでの経験も踏まえ、「売らずに売れる」状況は、誰でもマーケティングで創り出せます、と断言しています。

 

 

 

本書は、潰れかけた喫茶店「ワーグナー」をおじいさん・おばあさんから引き継いだ松本恵美(22歳)が、マーケティングの知識が豊富な星幾三(38歳)の指南を受けながら、最初はやってはいけないモノの売り方トップ3(①理由なく値下げして売る、②思いつきの広告で売る、③スタッフを減らして売る)をやってしまい、状況をさらに悪化させてしまったところから、マーケティングの基礎を一つずつ実践することにより経営を建て直し、軌道に乗せていくストーリーです。

 

 

 

主人公のエミ(松本恵美)が実践したマーケティングのポイントは以下の通りです。

 

 

◆ 自社だけができて、顧客が求めているバリュープロポジションを見つける

 

◆ 「自社」スタートの3C分析(Company自社・Customer顧客・Competitor競合)でバリュー・プロポジションを創る

 

◆ STP(Segmentation・Targeting・Positioning)で理想の顧客を知る

 

◆ 「商品」作りを4P分析(Product・Price・Place・Promotion)でとらえなおす

 

◆ 消費者がモノを買うときの3つの消費者行動モデルを活用する

 

 

 

これらのマーケティングの基礎を、喫茶店「ワーグナー」で実現していくストーリーは、思わず引き込まれます。

 

 

 

そして、次の3つの消費者行動モデルを紹介しています。

 

 

1.AIDMA(Attention・Interest・Desire・Memory・Action)

 

2.AISUS(Attention・Interest・Search・Action・Share)

 

3.SIPS(Sympathize・Identify・Participate・Share&Spread)

 

 

 

とくに最後の「SIPS」について、ワーグナーでは、お客様がレコードを選ぶ「リクエスト」、お客様のレコードをワーグナーで聴く「持ち込み」、夜の選曲を任せる「1DAY音楽コンダクター」など、お客様の参加型イベントを企画して、来店客数を着実に増やしました。

 

 

 

またこの本の最後では、クロスSWOT分析について、解説されています。

 

 

自社の強み(Strength)、自社の弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を分析し、クロスの組合せで、具体的な取り組みや戦術を考えることが有効です。

 

 

その目的は「コモディティ化」を防ぎ、しっかり競合を見ていくことでしょう。

 

 

 

本書の最後で著者は、進化し続けるためのヒントとして、「弱み」を「強み」に変える発想を紹介しています。

 

 

 

マーケティングに大切なポイントがすべて網羅されているストーリーで、ワクワクしながら学べます。楽しみながらビジネスで成功するための基本が身につく本で、早いうちにぜひ読みたい一冊として推薦します。

 

 

 

あなたも本書を読んで、マーケティングを正しく認識し、アウトプットに活かしていきませんか。

 

 

 

2020年4月24日に、YouTubeチャンネル『大杉潤のyoutubeビジネススクール』【第74回】弱者でも勝てるマーケティングとは?にて紹介しています。

 

 

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!