書評ブログ

『人が集まる会社 人が逃げ出す会社』

「人が集まらない会社は、人材が集まらないだけでなく、そのまま製品・サービスの売り上げや会社の利益にも悪影響を及ぼす時代になっている。」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、社会保険労務士として開業したのち、「就業規則の神様」と呼ばれ、全国にクライアントを持つとともに全国の社労士の指導を行い、さらに沖縄に移住してデュアルライフを送っている下田直人さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

下田直人『人が集まる会社 人が逃げ出す会社』(講談社+α 新書)

 

 

この本は、顧客や従業員が集まってくる基準として、「人間らしい心を感じられる会社」か、「人間らしい心が感じられない会社」か、ということが問われる時代になってきたことを解説している書です。

 

 

つまり、そうした基準から見ると、世の中には大きく2種類の会社が存在し、ひとつは「人の心を温める会社」もうひとつは「人の心を冷やす会社」というものです。

 

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

 

1.人が集まる会社はすでに気づいている

 

2.負が連鎖する冷やす会社

 

3.温める会社にはこんな特徴がある

 

4.ここが危ない! 冷やす会社に陥る落とし穴

 

 

5.温める会社はクレドから始まる

 

6.温める会社の社内ルール

 

7.良心が発揮される仕組み

 

8.温める会社の経営者の共通項

 

 

 

この本の冒頭で著者は、人の集まる「温める会社」は、「人の心が感じられる」会社である、と指摘しています。

 

 

人はみんな幸せになりたい、そしてそのためには他人の役に立つことをするべきだ、ということです。

 

 

それを儒学のひとつ「陽明学」では、「良知」というそうです。

 

 

「良知」とは、「本来知っていること」。つまり、人間が生まれながらにして誰に教わらずとも知っていることです。

 

 

 

逆に「冷やす会社」の特徴は、以下の3点です。

 

 

◆ 人をすぐに使えるか使えないかで判断する

 

◆ やたらとペナルティを科そうとする

 

◆ 本来の目的を見失い、手段が目的となってしまっている

 

 

 

では、「温める会社」の特徴は何でしょうか?本書では、次の5点を挙げています。

 

 

◆ フェイス・トゥ・フェイスを重要視する

 

◆ 多様性の受け入れに柔軟である

 

◆ 個人を大切にしている

 

◆ 利益を一番とは考えていない

 

◆ 人の「良心」を大切にしている

 

 

 

この本の後半で、就業規則について触れていて、ダウ・シードマンの著書『人として正しいことを』(海と月者)を紹介し、「規則はすべて理由があって設定されるが、ほとんどの人はその根拠や精神を知らない」と述べています。

 

 

 

そこで「温める会社」は、就業規則ハンドブックを別に作り、規則制定の意味やそこにある経営者の想いなどを解説しているそうです。

 

 

この本の最後に、「温める会社」の経営者の共通項が紹介されていて、それは次の6つです。

 

 

◆ 人格形成のために学び続け、実践している

 

◆ コーチやメンターをつけている

 

◆ 読書家である

 

◆ 心を磨く勉強会に参加している

 

◆ 自らの高まりを周囲にシェアする

 

◆ 良心を発揮した自分が一番心地よいことを知っている

 

 

個人的には、3番目の「読書家である」が本当に嬉しいですし、1番目の「人格形成のために学び続け、実践している」についても、勇気をもらった思いです。

 

 

 

あなたも本書を読んで、人が集まる会社、すなわち「温める会社」の本質を学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!