『誰がアパレルを殺すのか』

2018.04.24 (火)

「アベノミクスが一定の成果を上げ、マクロ経済が比較的安定している中で、なぜアパレル業界だけが今になって突如、深刻な不振に見舞われているのか」と問いかけている本があります。

 

 

本日紹介するのは、日経ビジネス記者杉原淳一さん、染原睦美さんの二人の共著による、こちらの書籍です。

 

 

杉原淳染原睦美『誰がアパレルを殺すのか』(日経BP社)

 

 

この本は、1991年時点で15兆円の国内市場規模だった日本のアバレル業界が、2013年には10.5兆円に市場が縮小したにも関わらず、商品点数は20億点から39億点に倍増する中で、大転換期を迎えていることを指摘し、サプライチェーンをくまなく取材することで不振の原因を突き止めている書です。

 

 

 

本書は以下の4部構成から成っています。

 

 

1.崩れ去る「内輪の論理」

 

2.捨て去れぬ栄光、迫る崩壊

 

3.消費者はもう騙されない

 

4.僕らは未来を諦めてはいない

 

 

 

この本の冒頭で著者は、オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会という、業界を代表する大手アパレル4社の決算が極めて厳しい状況にあることを紹介しています。

 

 

店舗の閉鎖ブランドの撤退も相次いでいて、大手アパレル企業と二人三脚で成長してきた百貨店アパレル不振によって構造改革を迫られている、と説明されています。

 

 

 

その原因を本書では、アパレル産業に特有の、「川上」である生地を生産している企業「川下」である小売店との深刻な「分断」がある、と述べています。

 

 

つまり、川上から川下まで貫く問題の本質を正しく認識していないため解決の糸口を見つけることができない、と指摘しています。

 

 

 

その後この本では、戦後のアパレル産業の勃興から黄金期までの歩みをまとめ、続いて、業界の「外」からアパレル産業に算入する新興勢力について取り上げています。

 

 

彼らには、輝かしい黄金期も、業界の「内輪の論理」もないため、既存のルールに縛られることなく、自由な発想で魅力的なサービスを次々と生み出して、軌道に乗せている、と著者は指摘しています。

 

 

具体的には、アメリカでオンラインSPAのビジネスモデルで生産工程やコスト構造をすべて開示しているエバーレーンや、ニューヨークにオフィスを構えるエムエムラフルールの成長を紹介しています。

 

 

また、靴の分野では、世界中から素材を仕入れて、セールをしないフェアなビジネスを掲げるGREATS(グレイツ)を取り上げています。

 

 

これらオンラインSPAが伸びているのは、「安さ」ではなく、「価格の妥当性」が消費者に理解され、支持されているからです。不要なコストを省き、その分を商品開発やデザイン、顧客サポートに費やす。

 

 

それがフェアであり、あるべき姿なのだと消費者に示して、この姿勢がブランド価値になっている、ということです。

 

 

そのほかに、買うから手放すまでをネットで完結させるゾゾタウンメルカリが伸びている背景や、大量生産の逆を行くカスタマイズを武器にするヌッテを運営するステイト・オブ・マインドも紹介しています。

 

 

 

シェアリングエコノミーが広がった流れの中で、「買う」から「借りる」へシフトする企業も伸びています。この本では、2015年2月に始まった毎月定額制エアークローゼットや、米国のレントザランウェイの成功を紹介しています。

 

 

 

さらに、業界の「中」から既存のルールを壊そうとする新興企業の取り組みを、本書では追っていきます。

 

 

老舗百貨店の破綻に端を発して、内向き志向を脱したジーンズメーカーや、大量生産と決別したデザイナーズブランドなどを取り上げています。

 

 

また、「服、借りホーダイ!」を掲げて2015年9月に始まった「メチャカリ」は、アパレル業界を驚かせ、サービスを開始したストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー)は注目を集めています。

 

 

今や、「第2のユニクロ」とも称され、店舗とインターネット通販の会員登録を統合して、約390万人に達しています。

 

 

この「メチャカリ」は、1ヶ月5800円で服を何点でも借りられる自社ブランドの衣服レンタルサービスです。自社が展開する「アースミュージック&エコロジー」、「グリーンパークス」、「アメリカンホリック」、「コエ」など複数のブランドから1ヶ月に無制限で何度でも借りられる。

 

 

既存のレンタルサービス会社は、アパレル企業から仕入れて貸し出すのに対して、ストライプ自社の商品をレンタルするのが特徴。

 

 

当然、自社ブランドの「販売」と「食い合う」ことが懸念されたが、結果はそうならなかった、と本書では解説しています。

 

 

 

「アパレル産業に未来はないのか」と問われれば、迷わず「NO」と答える、と著者は述べています。

 

 

業界の不振の構図を把握し、山積する課題を乗りこえれば、そこには確実に、次の成長につながるチャンスがある、とこの本では強調しています。

 

 

あなたも本書を読んで、アパレル産業の未来を考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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