書評ブログ

『「超・長寿」の秘密-110歳まで生きるには何が必要か』

「100歳と110歳の間には、大きな壁がある。それを乗り越えるには『遺伝子が使われる』ようにすればいい!」と述べている本があります。

 

 

本日紹介するのは、京都大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了、京都大学大学院医学研究科准教授などを経て、現在は慶應義塾大学医学部教授伊藤裕さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

伊藤裕『「超・長寿」の秘密-110歳まで生きるには何が必要か』(祥伝社新書)

 

 

この本は、世界でトップの高齢化率(全人口における65歳高齢者の比率)の日本は、間もなく28%を超える「超・超高齢社会」に間もなく入ろうとしており、そうした中で寿命には勝ち組と負け組があることを提唱している書です。

 

 

 

本書は以下の10部構成から成っています。

 

 

1.はじめに-男性最高齢者とお会いして

 

2.二極化する、日本人の寿命

 

3.長寿エリート

 

4.遺伝か、環境か

 

5.遺伝子に秘められた「幸運」と「幸福」

 

 

6.臓器の記憶

 

7.遺伝子のダメージを修復する

 

8.「超・長寿」を実現する最先端医療

 

9.「遺伝子が使われる」生活

 

10.おわりに-112歳の見る夢

 

 

 

この本の冒頭で著者は、肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が健康問題として大いに注目されてきましたが、超高齢社会においては、るい痩(やせている状態)のほうがはるかに大きな問題だ、と述べています。

 

 

 

そして、やせ筋肉量の減少によって起こり、その結果、「フレイル(虚弱)」という病態が引き起こされます。

 

 

 

最近よく話題になるフレイル(虚弱)ですが、次の5項目の3点があてはまるとフレイルとみなされるそうです。

 

 

◆ 体重が減少(年間4.5kg、または5%程度以上の減少)

 

◆ 歩行速度が低下(0.3m/秒以上の減少)

 

◆ 握力が低下(男性26kg未満、女性18kg未満)

 

◆ 疲れやすい

 

◆ 身体の活動レベルが低下

 

 

 

この後本書では、「長寿エリート」の分析をしていますが、「カギは遺伝子にある」と著者は述べています。

 

 

つまり、長寿エリートたちはまだ使われていない人生を生ききり、長寿を満喫しているのです。

 

 

 

この本では、四半世紀にわたる長寿者のデータが蓄積された慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターセンター長である著者の研究成果最新の知見が披露されていて、私たちの想像以上に寿命を延ばすカギやその具体的方法が分かってきています。

 

 

 

私がとくに感銘を受けたポイントは以下の通りです。

 

 

◆「超・長寿」実現のカギは遺伝子にあり、「遺伝子が使われる」生活が寿命を延ばす

 

◆ ヒトゲノムのわずか1.2%(間接的を入れても5%)のDNAだけがタンパク質を作ることに関係している

 

◆ 遺伝子のほとんどは、遺伝子の使われ方をコントロールする遺伝子で、「遺伝子の使われ方」は複雑にコントロールされる

 

◆ 私たちのからだは、たったひとつの授精細胞から200種類・60兆個の細胞に増え、それぞれ個性を持つ

 

◆ 遺伝子は置かれた環境によって、その力の発揮のされ方が異なる(「使われ方」が異なる)

 

 

 

◆ DNAが自分のコピー遺伝子を作る(転写)際に、遺伝子の上に起こる変化がエピゲノム

 

◆ エピゲノム変化は成長の過程で起こり、母胎の状態や小さい頃の臓器の状態が記憶され、のちの人生に影響を及ぼす

 

◆ 遺伝子記憶(臓器記憶)は隔世で伝わる

 

◆ 星座占いは臓器の形成んかかわるもので科学的

 

◆ 断食はからだに良い記憶を残す(断食メモリー)

 

 

 

◆ 60兆個の細胞では常に遺伝子が使われ、遺伝子は自分のコピーを2つ作り(複製)、コードしているタンパク質作る(翻訳)

 

◆ ミトコンドリアは酸素の力で糖や脂肪からエネルギー物質ATPを作る

 

◆ DNAの損傷は、ミトコンドリアで「活性酸素」が生み出されて起こる(遺伝子のダメージ)

 

◆ DNAダメージを修復する遺伝子は170個以上あり、免疫力と深くかかわる

 

◆ ほとんどの病気は、毎日DNAの2万~10万カ所で起こっている損傷がうまく修復できないことで発症する

 

 

 

◆ エピゲノム変化は、DNAダメージが起きた時、その修復にともなって起こる

 

◆ 食べる量を7~8割に減らすと、長寿遺伝子・サーチュインが活性化し、エピゲノム制御によりミトコンドリアが元気になる

 

◆ 遺伝子のダメージというピンチは、エピゲノム変化や、それにともなう遺伝子の変化が起きることでチャンスにつながる

 

◆「自分らしさ」とは自分で作っていくもの

 

◆「できる」ことを繰り返すながで、私たちの遺伝子が使われるようになり、やがて「記憶」として体に根づき「才能」となる

 

 

 

◆ 生活習慣病が同時に起きる「メタボリックドミノ」の倒れ始めを早く見つけ、対応し続けることが長寿の秘訣

 

◆ 上医(名医)は病気になっていない者を治し、中医(普通の医師)は病気になろうとしている者を治し、下医(やぶ医者)は病気になった者を治す(7世紀の唐の名医・孫思邈の著書『千金方』)

 

◆ 中医の姿勢は「予防医療」

 

◆ 上医の姿勢は「先制医療」

 

◆ 「予防医療」は集団の医学、「先制医療」は個の「予防医学」

 

 

 

◆ オバマ大統領が提唱した「精密医療」(①ゲノム科学、②IT・デバイス技術・③AIによるビッグデータ処理)

 

◆ 「発病してから投薬するのは、のどが渇いてから井戸を掘るようなものだ」(最古の医書『黄帝内径』)

 

◆ 「先制医療」は、人生をポジティブな流れに変える「ポジティブ医療」

 

◆ ポジティブ医療は医者に頼らず、私たち自身が「上医」になるもの

 

◆ ウェアラブルデバイスで可能になるAIによる「未来予測診断」

 

 

 

本書の最後に「超・長寿」の源泉である「やる気」について、次の「3つの脳」が重要だ、としています。「やる気」がエピゲノム変化を誘導し、遺伝子の良い記憶が生まれ、私たちの遺伝子がうまく使われることにつながり、新しい人生に発展していくのです。

 

 

◆ ハツラツ脳(すべての臓器のミトコンドリアの働きを維持)

 

◆ ツナガル脳(「頑固」や「孤立」はどんどん老化を進める、「ほめる」と仲間との交わりが大切)

 

◆ ワクワク脳(何かを始めようというイニシエーションの気持ち、学び直し、笑顔、「Savoring(味わう)」)

 

 

この「Savoring(味わう)」に関しては、1994年の上皇・上皇后両陛下が訪米された際に、クリントン大統領歓迎スピーチの最後に引用した次の唄を紹介しています。

 

 

「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで 無かりし花の 咲ける見る時」(橘 曙覧『独楽吟』)

 

 

 

また著者は、アルツハイマー病にならない活動として、「教えること、学ぶこと」を挙げ、心に影響を与える「腸内細菌」についてもその重要性を説明しています。

 

 

 

さらにこの本では、さまざまな参考文献も文中で紹介していて、以下の本はとても興味深くお薦めです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたも本書を読んで、「超・長寿」の秘密である遺伝子の「使われ方」について学んでみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!