『Caféから時代は創られる』

2018.06.19 (火)

「カフェはただお茶を飲みに来るだけの場所ではない」と唱えている本があります。

 

 

本日紹介するのは、早稲田大学在学中の2001年から1年間パリ政治学院に留学し、留学中にカフェという場所に興味を持ってカフェの研究を始め、カフェ文化研究家となった飯田美樹さんが書いた、こちらの書籍です。

 

 

飯田美樹『Caféから時代は創られる』(いなほ書房)

 

 

この本は、歴史に名を残した様々な人物や運動を生み出していった20世紀前半のパリのカフェを中心に、カフェで起こった出来事のメカニズムを分析する書です。

 

 

 

本書は以下の6部構成から成っています。

 

 

1.カフェと「天才」たちとの不思議な関係

 

2.カフェに通った「天才」たち

 

3.カフェに出会う以前の「天才」予備軍の共通点

 

4.カフェという避難所

 

5.商売人としての主人

 

6.カフェと人との相互作用

 

 

 

この本の冒頭で著者は、パリのカフェの歴史カフェ・プロコープとともに始まっている、と述べています。

 

 

プロコープは、1768年にフランシス・プロコピオによって開かれたカフェで、ここではコーヒーという未知の飲み物を飲ませるだけでなく、イタリア風のアイスクリームを提供することで評判を高めていきました。

 

 

プロコープ鏡や大理石を多用した室内装飾などが、パリのカフェの原型となっています。

 

 

ここに通ったのは、ヴォルテール、ディドロ、ルソー、ベンジャミン・フランクリン、ダントン、マラー、カミーユ・デムーラン、ロベスピエール、ミラボーらであり、啓蒙思想やフランス革命思想の中心地となっていきました。

 

 

またここには、アメリカ独立運動の指導者たちも集っていて、ベンジャミン・フランクリン葬儀もここで行われました。

 

 

さらに時代は変わって、1870年頃のパリの北、モンマルトルでは、後に「印象派」と呼ばれることになるトゥールーズ・ロートレック、エドガー・ドガ、セザンヌ、ルノワール、モネなどが、ラ・ネーベル・アテヌというカフェに集いました。

 

 

その他にも、モンパルナスの別のカフェ、クローズリー・デ・リラには、ポールフォールをはじめ、ジャン・モレアス、アルフレッド・ジャリ、若き日のピカソ、アポリネール、アンドレ・サルモンたちも集いに参加しました。

 

 

こうしたカフェに通った「天才」たちと、カフェでの交流を研究した成果が、この本では記されています。

 

 

 

自分たちがどのようにして現在のような仕事をするにいたったかを文章で残している「天才」たちも多く、本書では以下のような人たち「カフェに通った事実」を紹介しています。

 

 

◆ パブロ・ピカソ

 

◆ アポリネール

 

◆ アメディオ・モディリアーニ

 

◆ ヘミングウェイ(アメリカの小説家)

 

 

◆ マン・レイ(アメリカの写真家)

 

◆ 藤田嗣治

 

◆ ユキ・デスノス

 

◆ ジャン=ポール・サルトル

 

 

この本では、カフェに通い、後に世界に名を残すほどになった者たち自身の証言をもとに、まだ無名だった彼らから、どのようにして数々の営みが生まれていったのか、そのメカニズムを探っています。

 

 

 

カフェという場ある共通点を持った人達と、彼らを受け入れる素晴らしい空間とがうまく相互作用した時に、計り知れない力を持ちうる場となることを、著者は明らかにしています。

 

 

 

カフェに来る者たちで、のちに「天才」となるような芽を持った人以下の共通点があります。

 

 

◆ 「何者か」になりたいという強い意志を持っている

 

◆ 自分の周囲とは異なる考え、価値観を持っているため、周囲から逸脱し、理解してもらえる人や場所を求める

 

◆ 実際に「ここではないどこか」を求めてさまよい始める

 

 

 

そして、彼らの居場所となった、20世紀前半のパリのカフェには、次のような要素があった、と著者は説明しています。

 

 

◆ 商売人として長期の視点を持ち、大金を払わず長居する客も受け入れる

 

◆ 毎日通い続けられる程度の値段と味

 

◆ 営業時間が長く、客が行きたい時にいつでも行ける

 

◆ ギャルソンや主人等、空間を維持する者が客の存在を快く承認する

 

◆ 主人を介しての常連客との会話

 

 

◆ 主人が客たちの人生を応援はすれど、会話の中味や行為の内容自体には干渉しない

 

◆ 客達にとって快適な空間が保障されている

 

◆ テラスやカウンター、静かな二階席、常連用の奥の空間のように、用途によって空間を使い分けられる

 

◆ そのカフェを自分のカフェに選んだアトラクターの存在

 

 

 

本書の最後に、21世紀前半のパリには「もはや大学カフェは存在しない」と言われ、サン=ジェルマン=デ=プレを最後にカフェの時代は終わってしまった要因として、次の点が指摘されています。

 

 

1.カフェに行く必要性の低下(住環境の改善)

 

2.コーヒーなどが自宅で手軽に飲めるようになった

 

3.通信手段の発達(無理に会う必要がなくなった)

 

4.カフェ側のプロ意識の低下(かつてはアルバイトでなく一生の仕事)

 

5.カフェ店内の環境の変化(大音量で録音された音楽)

 

6.通えるような値段のカフェの減少

 

7.長居できるカフェがあまりない

 

 

 

こうして変化した現代のパリのカフェですが、日本の文化は世界的に注目されており、円が安くなった今、外国人で溢れた京都はかつてのパリを思わせる、と著者は言います。

 

 

京都は日本でもかなりカフェ文化が栄えている都市で、創造発生因子もかなり揃っている、とこの本では指摘しています。

 

 

カフェはただコーヒーを飲み、ケーキを食べに行く場所ではない。カフェから世界は変えられる。カフェから時代は創られるのだ、と著者は提唱しています。

 

 

あなたも本書を読んで、カフェに通い、カフェから時代は創られることを体験してみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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