書評ブログ

『60代から簡単に頭を鍛える法』とは?

「この一冊で、生涯現役の “ すごい頭 ” が手に入ります!」と提唱している本があります。

 

 

本日紹介するのは、経済ジャーナリストや出版社社長を経て、能力開発コンサルタントとして活躍し、社会保険労務士行政書士など53歳から始めて90を超える資格を持つ高島徹治さんが書いた、こちらの書です。

 

 

高島徹治『60代から簡単に頭を鍛える法』(知的生きかた文庫)

 

 

この本は、「生涯現役」のためにやるべきこと、として書き、「読んだ人から1日が変わります!」と著者が呼び掛ける「覚える力、考える力を高める生き方」の本です。

 

 

 

本書は以下の7部構成から成っています。

 

 

1.60代から始める!「頭を鍛える」生き方

 

2.あなたの脳は、まだまだ覚えられます!

 

3.これが「知らないうちに頭を強くする」習慣

 

4.60代からの人生は「読書」でさらに磨かれます

 

5.一流の睡眠が、一流の60代をつくります!

 

6.60代からすぐ使える「実用的な記憶法」

 

7.60代から頭を磨くトレーニング法

 

 

まず本書の冒頭で著者は、「60代で年を取ったと考えること自体、間違っています。」と喝破し、「人生を楽しむには、頭を鍛えることが欠かせません。」と主張します。

 

 

これは、私の心のメンターでもある92歳で現役の執筆活動を続ける外山滋比古さんや15万冊を超える日本最大の個人での蔵書コレクションを誇る渡部昇一さんが提唱し、私が目指す「生涯現役の知的生活」にも通じます。

 

 

 

本書で提唱する「頭を鍛える」生き方とは、知的生活習慣のことであり、まず次のような「脳の仕組み」を理解することが出発点になります。

 

 

◆ 「すぐ思い出せない」のは60代では20代の「3倍の知識量」があるため

 

◆ 物忘れは「記憶が衰える」のではなく、「思い出せない」だけ

 

◆ 脳細胞の数ではなく、脳を作る「神経細胞のネットワーク」が重要

 

◆ 人間の体は、使っていない機能は衰える「廃用萎縮」という性質がある

 

◆ 新しいことに興味を持ち、神経細胞に刺激を加え続けることが脳の機能を強化する

 

 

 

以上のような「脳の仕組み」を理解した上で、「頭の使い方のコツ」を知って活用することを提唱しています。具体的には以下のようなことです。

 

 

◆ 頭に図や絵を思い描いて右脳で記憶する

 

◆ 声に出して音読するなど、口や耳など、五感を使って記憶する

 

◆ 書くことや身振り手振り、香りなど、触覚や嗅覚も使うと記憶に有効

 

◆ 海馬は「記憶の司令塔」と呼ばれ脳の重要器官で、ここを鍛えて大きくすると記憶力が高まる

 

 

 

また、具体的な方法論としては、次のような「自然記憶」を自らの資格取得の経験も踏まえて提唱しています。

 

 

1.好きなことは覚えやすい

 

2.興味があって調べたことは覚えやすい

 

3.毎日接しているものは覚えやすい

 

4.「なるほど!」と納得したものは覚えやすい

 

 

そして、「ストーリーづくり」を特に強く薦めています。ストーリーに興味を持ち、理解が深まれば、さまざまな出来事の因果関係や順序が頭に入っていきます。

 

 

歴史の勉強などでは、そうした自然記憶を活用すると、自然と重要な事件が起きた年号まで覚えられてしまうものだ、と著者は言います。

 

 

また別の観点から、以下のような方法も推奨しています。

 

 

◆ 付箋などを活用した「ちょいメモ」

 

◆ 復習を2日後にする

 

◆ 無意識の習慣にして「体で覚える」

 

 

これらは、「覚える」→「忘れる」→「覚える」という繰り返しで、記憶が強化される「脳のメカニズム」を活用した方法で理にかなっています。

 

 

次に本書の後半で提唱している「体内時計」「質のよい睡眠」について紹介します。「頭のいい60代は、朝がまるで違います」と著者は断言します。

 

 

ポイントは以下の4点です。

 

 

1.快眠のカギである「メラトニン」を増やすために朝早起きして太陽光をしっかり浴びる

 

2.朝起きた直後の30分はゆったりとした気分で1人の時間を持つ

 

3.朝の散歩はとくにお薦め、太陽光を浴び、血流がよくなり、リラックスできる

 

4.人間の記憶力は午前中がピーク

 

 

睡眠については、「一流の睡眠が、一流の60代をつくります!」として、レム睡眠(REM=Rapid Eye Movement)と、ノンレム睡眠(Non Rapid Eye Movement)90分周期で繰り返す仕組みを説明しています。

 

 

レム睡眠(REM=Rapid Eye Movement)とは、「急速眼球運動」の睡眠で、すなわち「眼球の動き=脳の働き」なので、「体が休息していて脳が働いている状態」です。「眼球は心の窓」という言葉もある通り、目がキョロキョロしているので脳は働いていることになります。

 

 

逆にノンレム睡眠(Non Rapid Eye Movement)とは、「急速眼球運動をしていない状態」なので、「脳が休息していて体が動いている状態」です。したがって、夢を見ることはありませんが、寝返りを打ったり布団をはねのけたりします。脳を使わずに、体が反射的に動いている、ということです。

 

 

個人差はありますが、平均すると、「レム睡眠」は20分程度、「ノンレム睡眠」は70分程度の長さで、90分を1セットにした眠りが4~5回繰り返されます。4回なら6時間睡眠、5回なら7時間半の睡眠で、このサイクルで眠ると脳も体も十分な休養が取れる、というわけです。

 

また、「レム睡眠」の時に、脳はものすごい集中力で昔の記憶をたぐり、再生しています。20年も30年も昔の光景を夢に見たりするのは、脳の集中力のさせるワザで、「夢とは記憶の再生工場」です。

 

 

睡眠中の脳の中では、本来は全く関係のない情報が繋ぎ合わされます。脳がこうした不思議な作業をしているのは以下の2つの目的があるためです。

 

 

◆ 情報の整理

 

◆ 記憶の強化

 

 

脳は「レム睡眠」の最中に、膨大な量の情報を整理しながら、長期記憶として保存すべきは保存して、消去してもかまわないものは消去します。

 

 

そうして記憶を厳選して、記憶の定着を強化している、ということです。まさに、夢とは「記憶の工場」と言えるでしょう。つまり、「ひらめく」人ほど、よく「眠っている」というわけです。

 

 

 

また、私が大好きなコーヒーや読書については次のように述べています。

 

 

◆ コーヒーの香りには心をリラックスさせる効果がある

 

◆ 60代からの人生は、読書でさらに磨かれる

 

 

60代の「読書法」として、著者は「本は3回読む」ことを薦めています。以下の3通りの読み方を、順に繰り返します。

 

 

1.サラブレッド読書法(スピード重視で全体像を頭に入れる)

 

2.ブル読書法(じっくり腰を据えてマーキングしながら内容をシッカリ理解して読む)

 

3.記銘読書法(マーキングした箇所だけを読み返して頭に刻み込む)

 

 

これ以外にも、「フック記憶法」や、「セット記憶法」、「頭出し記憶法」、「書くことによる記憶」など、60代の脳を鍛えるノウハウが全て本書には詰まっています。

 

 

私がこれまでに実践していることも多く、納得感がありました。最後に、「60代からの脳は、“ 孤独な時間 ” が必要」と著者は言っています。つねに緊張状態にあれば、脳は疲れ果ててしまいます。

 

 

「ボーッとしている時間」を持つことで、リラックスした「副交感神経が優位な状態」を作ることです。何事も「硬軟のバランス」、つまり自律神経のバランスが大切、ということでしょう。

 

 

あなたも、「孤独な時間」こそ賢い60代の時間、という著者のメッセージを受け止めて、充実した60代を過ごしていきませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を

 

 

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