書評ブログ

『2030年超高齢未来』から見える私たちの生き方

「ジェロントロジーが日本を世界の中心にする」という副題の書籍があります。本日紹介するのは、東京大学 高齢社会総合研究機構という組織が出した2030年の日本の超高齢社会を展望した書です。

 

 

東京大学 高齢社会総合研究機構『2030年超高齢未来』(東洋経済新報社)

 

 

この本は、日本の高齢化が、人類がかつて経験したことのないようなレベルであり、日本がフロントランナーであることを踏まえて、むしろそれをチャンスと捉えて対策を前向きに考えている書です。

 

 

高福祉社会の北欧の国々も、経済成長めざましいアジアの国々も、日本がどのような超高齢社会を築いていくのか、興味深く見守っています。

 

 

2030年には高齢者が人口の3分の1を占める超高齢社会になる日本で、団塊世代が75歳以上になることから、「後期高齢者」は倍増します。

 

 

一方で14歳以下の年少人口は3分の2に減少し、「高齢化による社会全体の急激な変化」が起こるでしょう。

 

 

東京大学・元総長の小宮山宏さんは、「課題先進国」という考え方を提唱していて、エネルギー問題や環境問題など、日本は世界に先駆けて大きな問題に直面しては、それを乗り越えてきました。

 

 

この「超高齢社会」についても、日本は世界のトップを走っており、この「課題」の解決策を、世界は固唾をのんで見ています。

 

 

 

本書は以下の8部構成から成っています。

 

 

1.迫りくる超高齢社会の衝撃

 

2.「幸せな超高齢社会」というパラダイムシフトへ

 

3.知と力を結集して、豊かな「長寿社会」を拓こう

 

4.「健康なまま長生きできる社会」をつくろう

 

5.「いきいきした街」をつくろう

 

6.「頼りになる仕組み」をつくろう

 

7.超高齢社会を逆手にとる「新」成長戦略

 

8.ビジョンの共有に向けて

 

 

 

東京大学は、「ジェロントロジー」という取り組みを行ってきました。これは、高齢者・高齢社会に関する研究を、学部を横断する形で人材を集め、いろいろな分野の専門家が集まって議論を進めるものです。

 

 

活動は主に次の四分野で行われました。

 

①教育

 

②研究

 

③国際

 

④産学連携

 

そうした中で、「ジェロントロジー寄附研究部門」が「高齢社会総合研究機構」に発展する形でスタートし、活動が開始されました。

 

 

その「基本理念」は、「Aging in Place 」で、「いくつになっても、住み慣れた地域で安心して自分らしく生きる」という意味です。

 

 

「Aging in Place 」を構成する要素は以下の3つです。

 

 

1.在宅医療の充実

 

2.生きがいづくりと就労 (QOL = Quality of Life、生活の質)

 

3.生活を支えるためのインフラ整備

 

 

千葉県柏市の豊四季台団地で、社会実験が行われています。

 

 

さらに、「個人の人生設計」の問題が出てきます。秋山弘子教授は、「人生の第4期」という新たなライフステージを提唱しています。

 

 

「子ども」「大人」「高齢者」に続く「人生の第4期」です。2030年には、75歳以上の人口が急増します。人生90年時代には、「後期高齢者」と呼ばれる75歳以上の「人生の第4期」をいかに充実させるかの設計が必要でしょう。

 

 

今後、アジアでは日本のあとを追いかけて急速に高齢化が進んでいきます。韓国は日本よりも急カーブで高齢化が進んでいくし、台湾も同様です。

 

 

そして、ケタ外れの規模で今後10年くらいで中国は高齢化が進みます。さらにインドが続けば、世界全体が高齢化です。

 

 

超高齢社会をいかにして魅力的なものにするか、日本が課題に一番近い国です。ジェロントロジーによって、超高齢社会を幸せな長寿社会にする。

 

 

そのとき、世界の中心は日本になるのではないでしょうか。あなたもぜひ、本書の知見に学び、超高齢社会における、人生90年時代の「人生設計」を考えてみませんか。

 

 

 

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では、今日もハッピーな1日を!

 

 

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