書評ブログ

ロバート・ヒルキほか『新TOEICテスト直前の技術』(アルク)

本書はアルク本社で何度も行われたロバート・ヒルキ氏による伝説の「TOEICセミナー」の誌上公開版とも言うべきものだ。すべて英語で行われるセミナーながら、発音の分かり易さと「面白い日本語」が時に混じって、実に分かり易い。

 

私も、2度目のTOEIC公開テストで惨敗した後、藁にもすがる思いで、ヒルキ氏の 「TOEIC730点目標セミナー」を受講するため、永福町のアルク本社に通った。毎回仕事の後で疲れていたはずだが、とにかく楽しかった。

 

楽しんでいるうちにTOEIC受験のコツが自然と身についてしまう。受講者は皆、最初は緊張しているが、どんなに恰好をつけても皆、TOEIC730点に届かない初心者同士。ヒルキ氏の明るい話術とジョークに笑いの渦となった。

 

本書は、そのヒルキ氏の人柄がそのまま出ている本だ。TOEIC攻略のコツも、セミナー同様、いくつも散りばめられている。TOEIC公開テストも何度も改定を繰り返していて、それで本書のタイトルも「新TOEIC」となっているのだが、ヒルキ氏は今後の試験変更までも読んでアドバイスする。

 

ヒルキ氏の話術 (筆致?)にかかると、TOEICなんて簡単に攻略できるような気になってくるから不思議だ。直前にしっかり読んで覚えておくべきTOEIC受験のためのコツがしっかり書かれている。

 

TOEICスコアをとにかく早く上げたい人には、絶対お薦めの究極の一冊だ。但し、ヒルキ氏が最後に述べているように、「最も大切なことは基本的な英語力を上げること」であるのは間違いない。