書評ブログ

鹿田尚樹『10分間リーディング』(ダイヤモンド社)

読書のとっかかりとして紹介する「本を読むことを薦めている本」の第3弾は、鹿田尚樹氏の本書だ。いろんな読書法があるものだと勉強になったのでぜひ紹介したい。

 

鹿田氏は小泉純一郎内閣時代に、全国最年少公設秘書として、国会議員秘書を務めた経歴を持つ。その時の様々な書類を短時間で大量処理した経験が、10分間という短い時間で1冊の本を読める、という速読術を薦める本書の執筆に繋がったようだ。

 

この本、とにかく読みやすい。読書は大切だと分かっちゃいるけどなかなかできない、という読書が苦手という人にはピッタリの本だ。冒頭にカラー写真やイラストで、10分間読書術のツボが紹介されていて興味深い。

 

『10分間リーディング』で説いているのは、①10分間で本を読む、②読んだらすぐに記録する、③スキマ時間で記録を見返す、④読んだことを誰かに伝える、という4つの行動だ。

 

4番目の「誰かに伝える」は、前述の丸山純孝『いつも目標達成している人の読書術』(明日香出版社)で推奨している「読書後にアウトプットする」と共通するものだ。誰かに伝える、アウトプットできるまで咀嚼できて初めて読書も身になるということだろう。教えることが最高の勉強になるのだ。

 

鹿田氏が推奨する「記録すること」を薦める人は多いが、「記録を見返す」ことまで薦める人や本は少ない。スキマ時間なら何度も見直せるし、それができるなら読書の時間は10分あれば十分、あとの20分間を記録することに使うべき、という考え方だ。

 

毎朝30分で読書が完成するので、習慣としてどんどん本を読んでいける。この方法は慣れれば絶大な効果を発揮すると思う。

 

私もぜひ採り入れたい読書法だが、じっくり読み込みたい本もあり、全部がこの方法では満足できないだろう。ただ、読書が苦手というあなたには、読んでみる価値ある本として強く推奨したい。