書評ブログ

西澤ロイ『頑張らない英語学習法』(あさ出版)

西澤ロイ氏は英語力コンサルタントとして、2,000名以上に英語を指導してきた。自身が苦労して英語を身に付けた体験をもとに、「英語の仕組み」に着目して無駄な学習を排除している。

 

西澤氏は、英語は継続することが最も大切で、そのためには量よりも質だと説く。なるべく頑張らないで、有効な学習を続けること。続けなければ結局は英語を身に付けられない。

 

私も、「英語力を上げる最大の秘訣は何か」と問われれば、間違いなく、「継続すること」と答えるだろう。そういう点では、本書で述べる趣旨と私も同意見だ。英語学習にはもちろん量も必要だが、ブレイクスルーを迎えるまで上達が実感できずに挫折する学習者が実に多い。

 

著者はそれがわかっていて、挫折しにくい「質重視」の英語学習法を薦めているのだ。まず、単語についてもやみくもに覚えず、知っている単語と使える単語は違うことを強調し、手作りの単語帳を薦める。

 

リスニングの練習方法も具体的だ。聞き流すだけでは効果が薄く、とてつもなく時間がかかるという。その通りだが、私の考え方は併用だ。量と質の相乗効果によって、たいがいの英語上級者は習得している。

 

西澤氏はTOEIC990点満点、英検はなぜか4級 (上達してから受けていないのだろう。)。英語の学習をどうしたら続けることができるかに特化した本書は読む価値がある。

 

本書の最後にもあるが、英語を学ぶ目的を明確にすることとともに、本書の一読を薦めたい。