書評ブログ

西和彦『60歳からの暮らしの処方箋』(幻冬舎ルネサンス新書)

西和彦氏は、京都大学大学院(建築科)を卒業後に大成建設に入社し、住宅・ビル・工場などの建築物全般の商品企画、市場開発に従事した。

 

本書は、会社を離れてから始まる、新しいフリーの暮らしについての観察と実践の報告の書だ。日々のありようや、地域との関わり、まちの様子、新しい仲間など、85のテーマについて、著者の見方、考え方が述べられていて興味深い。

 

本書の構成は、以下の8つに分かれている。

 

1.定年後を考える
2.会社をはなれる
3.日々、過ごす
4.地元の一歩
5.新しい仲間
6.提年力
7.自分を見直す
8.「次」 に向けて

 

以上のテーマに分けて西氏の見方が述べられているが、私にとってとくに印象に残った見方について以下に紹介しよう。

 

1.サラリーマンは、企業に勤めて定年までにもらうお金から生活に必要なお金の差額1億円をどう使うかが、人生だ
2.やりたかったことは、①二地域居住、②海外での一年間の生活、③田舎の古家を自分でリフォームして住む、の3つだ
3.できない理由も3つで、①子供のこと、②お金のこと、③女房のこと、の3つだ

 

確かに、なかなか思うようにならないのが定年後の生活だが、自分の軸をしっかりもってブレず、時間をかけて準備をしておくことが、将来の人生を決定的にするようだ。

 

定年後の生活を送る人はもちろん、近い将来の定年が視野に入っているサラリーマンには、ぜひ本書の一読を薦めたい。