書評ブログ

片桐実央『実践!ゆる起業』(同友館)

昨日に続いて、片桐実央氏の最新刊書籍を採り上げたい。片桐氏はシニア層に特化した起業支援を行う銀座セカンドライフ株式会社の代表で、5,000件を超える起業相談を扱ってきた。

 

本書は、その豊富な実践経験をもとに、実例を多く盛り込みながら、前著をより実践的な内容にしてまとめたもので、片桐氏の仕事の集大成とも言える力作だ。

 

シニア層の人々が起業するにあったっての重要な手順やポイントがほぼ網羅されている。著者はシニア起業を「ゆる起業」と名付け、以下の特徴を挙げている。

 

1.60歳以上の起業が増えている
2.50歳代と60歳代では考え方が違う
3.①楽しい仕事、②生きがいを感じる仕事、③得意分野の仕事、④投資抑制、⑤健康第一
4.現役時代をあてにする落とし穴がある
5.準備を念入りにできる

 

本書では、シニア業に必要な手順が以下の通り、ほぼ漏れなく述べられていて参考になる。

 

1.定年後のライフプラン設計
2.事業アイデアの具体化
3.事業計画書の作成
4.売れる仕組みを考えるマーケティング
5.起業形態の選択
6.会計・税務と融資・助成金制度
7.販路開拓・集客

 

とくに他の起業本では詳しい説明が少ない助成金制度についての記述や実践的なアドバイスは役に立つ。また、豊富な起業実践事例が紹介されているのも分かり易く、参考になる。

 

起業を考えているシニア層は急激に増加しており、そうした方々には必読のガイドだ。ぜひ一読を薦めたい。