書評ブログ

灘中高と東大理Ⅲへ子ども3人を合格させた教育法

日本で最難関の大学は東京大学理科Ⅲ類(いわゆる東大理Ⅲ)、医学部へ進学するコースです。その東大理Ⅲへ毎年最も多くの合格者を出すのが兵庫県の私立、灘高校です。

そんな最難関コーズの学校に3人の子どもを合格させた母親が奈良にいます。その母親・佐藤亮子さんが書いたのがこちらの本です。

 

佐藤亮子 『灘⇁東大理Ⅲの3兄弟を育てた母の秀才の育て方』 (角川書店)

 

中学および大学受験は母親次第と言い切るこの本は、ある意味では究極の教育本と言えるかも知れません。どこにでも小さい頃からずば抜けてできる子というのはいるものです。

 

関西で断トツの最難関・灘中学と日本で最難関の大学である東大理Ⅲに息子を3人も合格させたとなると、誰でもその子育て法・教育法を聞いてみたくなることでしょう。

 

そんな好奇心にしっかり応えてくれるのがこの本です。小さい頃からの家庭での生活や勉強のことなどが細かく書いてあります。本の構成は以下のようにジャンル分けされていて分かりやすいです。

 

1.お母さんの心得
2.日常
3.家庭のルール
4.習い事
5.家族
6.勉強の基本
7.幼少教育
8.小学校
9.中学受験
10.中学・高校
11.科目別勉強法
12.大学受験

 

以上のジャンルに分けて、かなり具体的かつ詳細に、母親としての考え方や行動が記されています。最もだと納得する事柄もある一方で、ビックリするような子育て法もあります。

 

まず私が納得し共感したのは以下のような教育方針です。

 

1.子どもはとにかく、ほめてほめてほめ倒す
2.自分の読書は最優先させて、本でヒントを得たら、それを具体化する方法を考えてみる
3.朝はニコニコ、絶対に怒らない
4.兄妹やよその子と絶対に比べない
5.何よりも、読み・書き・そろばんの「先取り」勉強

 

逆に私が「ここまでやるのとビックリしたのが以下の項目です。

 

1.子ども部屋はなく、机はリビングに置いて、そこに布団で寝る
2.テレビは2階に置いて、なるべく画面を見せない
3.ごはんの時間を暗記の時間にする
4.18歳まで子どもの勉強や進路に関わり続ける
5.お手伝いはさせなくていい

 

この本を読んでみて全体の印象としては、ここまで母親が子どもの勉強や受験に関わるのかという驚きです。小学生くらいまでの子育てでは「親が接する時間を増やす」、「絵本の読み聞かせを重視する」など共感する部分が多い。

 

ただ、それが中学、高校と続くところが驚きでした。大学受験は、私の感覚では「すべて本人任せ」が自然ではないかと思います。自分自身の受験でも子どもの受験でも、そういう感覚でしたので驚きました。

 

あとは公文式や水泳教室・バイオリンなど習い事をかなり徹底してさせていることも驚きです。3男1女という4人の子育てという環境ではお金の面でも時間の面でも驚異的なことだと感じました。

 

この本は子どもにも子育て法にもさまざまな方法や価値観があるということが極端な事例として分かるという意味で、とても興味深い本です。教育に一家言ある人はぜひ一読をお薦めします。

 

では、今日もハッピーな1日を!