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滝田誠一郎『孫正義 インターネット財閥経営』(日経ビジネス人文庫)

ソフトバンク社長の孫正義は、現在日本で最もスケールの大きな経営者だろう。孫正義がソフトバンクの前身である日本ソフトバンクを創業したのは1981年9月、今からわずか30数年前のことだ。

 

これだけの短期間で、天下のNTTドコモと正面から競い合ったり、米国3位の携帯電話会社スプリント・ネクステルを買収したりする、一大インターネット企業グループを作り上げた。

 

グーグルとポータルサイトの主導権争いをするヤフーはソフトバンクのグループ会社だし、中国を初めとする主要なアジア新興国の有力ネット企業には、殆どソフトバンクの資本が入っている。

 

米国のネット関連ベンチャーへの投資にも積極的で、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツが、その出資先企業リストを見て、腰を抜かすほど驚いたのは有名な話だ。将来、有望と見られる新興企業の殆どの株主として、ソフトバンクが名を連ねていたからだ。

 

本書は、孫正義がいかにして、今日のソフトバンク・グループを作り上げたかを半生記ふうにまとめた名著である。「インターネット財閥経営」というタイトルは、世界中の有望なネット関連企業への資本参加を進めるソフトバンクの経営戦略を表したものだ。

 

21世紀は情報社会であり、IT革命が世界を変えつつあることは間違いのない潮流である。一流のビジネスパーソンであるためには、ITリテラシーを抜きにはできない。ITを学ぶのであれば、まず孫正義を知るべきだということで、本書を取っ掛かりの書として、ぜひ一読を薦めたい。