書評ブログ

河谷隆司『ワーキング・トゥゲザー』(アスク)

河谷隆司氏は、異文化マネジメントを専門とするグローバルマネジメント・コンサルタントだ。マレーシアのクアラルンプールで16年半を過ごすなど、外国人ビジネスマンと職場でいかにコミュニケーションを取るか、という仕事を25年続けている。

 

本書は、世界12カ国・15都市で実施したグローバル研修のポイントを単行本にまとめたものだ。付属のCDと連動して、理解を深めやすい工夫がなされている。

 

本書の構成と主要なポイントは以下の通りだ。

 

1.グローバル・ダイバーシティ (多様性)
2.グローバル・コミュニケーション
3.グローバル・リーダーシップ① (基礎編)
4.グローバル・リーダーシップ② (実践編)
5.ナショナルスタッフの本音集 (実録)

 

著者によれば、グローバル・コミュニケーションを良くする特効薬はない。日々のちょっとした、しかし意図を持ったコミュニケーションの積み重ねしかない。

 

したがって、本書の随所で紹介されている、異文化でのマネジメントやリーダーシップ、コミュニケーションにおける、身の丈に合った無理のない実践スキルが現場では重要だ。

 

アジアを中心とする海外へ赴任して、現地法人での経営・管理や、日本の会社でも急増しつつある外国人スタッフの管理・指導に、本書は実践的なスキルとして役立つだろう。

 

グローバル展開を行う組織にいるビジネスパーソンに強く薦めたい一冊だ。