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森田勝之『トップダウン方式 ニュース英語のリスニング』(DHC)

森田勝之氏は、十文字学園女子大学教授で、専門は脳機能研究および神経哲学だ。コミュニケーションにおける脳内メカニズムの研究をベースに、言語習得のメカニズムから哲学の諸問題まで扱う。

 

発達心理学などで視覚、聴覚など五感情報から言語の脳内処理や脳内メカニズムを研究し、講義を行っている。

 

トップダウン方式というのは、まずは全体を理解し、その上で細部へと入っていく順序を指す。本書では12分野、48本のニュースを採り上げ、無理なくリスニング力が養成できる構成になっている。

 

慣れるまではニュース英語のスピードに戸惑い、なかなか理解できないと感じることだろう。トップダウン方式は、そうした中でキーワードを拾って全体を推測する力を養う。

 

全体から細部へと入っていくことにより、無理なく完全な理解へと近づいていくことができる。繰り返しトレーニングをしていくことが重要だ。扱っているニュースのテーマは多岐にわたる。

 

背景知識がある分野は聴き取りやすいだろう。逆に、知識がない分野は苦労するはずだ。それを繰り返していくことで、徐々にリスニングの力が付いていくように配慮されている。

 

英語リスニングに苦手意識のある学習者は、得るものが必ずあるはずだ。ぜひ本書にトライしてみることを薦めたい。