書評ブログ

森沢洋介『英語完全上達マップ』(ベレ出版)

本書は、英語勉強法の本の中では出色の出来栄えではないかと思う。試行錯誤した挙句、英語力を何とかアップさせた経験からして、最も私の結論に近い本だ。おそらくこの本に書かれていることが英語上達の本質だろう。

 

本書のモデルというか、根幹を成すバックボーンは、國弘正雄先生の「只管朗読」だ。國弘氏は、同時通訳の神様と呼ばれ、あの 「アポロ11号による人類初の月面着陸」生中継の同時通訳を担当した。

 

「只管朗読」とは、ひたすら音読を繰り返すことで、英語は訓練であり、トレーニングだということだ。音読は何百回では少な過ぎ、何千回、何万回というレベルでの繰り返しが必要だ。

 

繰り返すことで、新たに見えてくるものがあり、優れた英文を繰り返し音読することほど、英語習得に大切なことはない。意味のわかる易しい英文を繰り返し音読することが効果的なのだ。

 

本書は、とにかく繰り返しの音読を薦めている。しかも易しい教材で繰り返すことが絶対条件だ。私も國弘正雄氏の書いた『國弘流 英語の話しかた』(たちばな出版)を読んで、音読を繰り返すことの重要性を確信した。國弘氏の書籍はまた後日、詳しく紹介したいと思う。

 

本書の著者の森沢氏は、英作文でも有名だ。正確には「瞬間英作文」のトレーニング本でブレイクした。このシリーズは英語学習者のみならず、英語の専門家からの評価も高い。

 

森沢氏の英語学習の集大成、体系化された唯一の学習本ということで、英語力を上げていきたい全ての人に本書を強く推薦したい。