書評ブログ

本田直之『LIVE SIMPLY シンプルに生きるための162の言葉』(日本経済新聞社)

本田直之氏は、シティバンクなどの外資系企業の勤務を経て、現在はレバレッジコンサルティング株式会社の代表取締役兼CEOとして、日本とハワイのデュアルライフを実践している。

 

本書は、本田氏がこれまで書いてきた累計250万部突破の21の著作から162のコトバを厳選して紹介したものだ。本田氏の信条である、シンプルに生きるために大切な考え方、習慣、ルールなどが記されている。

 

1990年代までの日本は高度成長と工業化のパラダイムの中にいて、いわゆる 「人生の成功モデル」 が生きていた。しかし今は、旧来型のモデルで苦行に耐えても将来の保証は何もなく、新たな生き方が求められている。

 

著者の言う 「シンプルに生きる」 とは、しがらみやムダをそぎ落とし、自由で、身軽で、楽しい人生を送ることだ。自分の信じた道を、自分の考えで、オリジナルに生きていくこと、そのための方法を自分でつかみとることだ。

 

旧来の常識にとらわれず、周囲に流されてはいけない。自分を信じること、それこそが、「シンプルに生きる」 ために最も大切なことだ。

 

本書は以下の7部から構成されている。

 

1.自由な働き方
2.自由に働く人の習慣
3.古い仕事のやり方をリセットする
4.時間・場所から自由になる
5.モノ・カネから自由になる
6.人間関係から自由になる
7.自由な新しい世界に踏み出す

 

本書は、随所に写真やイラスト、様々なフォントやスタイルで、著者のコトバが散りばめられており、印象に残る工夫がなされている。

 

162のコトバはいずれも胸に響くが、私がとくに感銘を受け、心の中に秘めている至言を以下に紹介しよう。

 

1.100人いれば100通りの働き方がある
2.ノマドライフには思考の柔軟性が必要だ
3.積極的に自分と異なる思考や文化に触れることは思考のストレッチになる
4.「移動する」 こと自体をライフスタイルのひとつに加える
5.常識より自分の判断基準を大事にする

 

6.ビジネスパーソンにとっての英語は投資アイテムではなく、最低限もっているべき資本
7.プロフェッショナルとは、価値を生み出すことができる人
8.ライフスタイルを楽しむのは、量が質に変わる経験を積んだあと
9.どこの場所に住むのかは、どんな人生を送りたいのかとイコールだ
10.ノマドライフを続けていくと、ライフスタイルそのものがコンテンツになる

 

11.ゴールを明確に描く最大のメリットは、選択力が身につくこと
12.自分にとって大切なものが何かわかっている人は、すべてを得ることができないと知っている
13.「副業」 でなく、「複業」
14.会社の仕組みを自分で作れる人が、独立するのに向いている
15.変化に対応できる者だけが生き延びる

 

16.人間には、自分の能力で解決不能な問題というのは、降りかかってこない
17.「自分を良く見せよう」 ということがブランディングではない
18.見た目は質素でも、中身は豊かであること
19.目の前にある仕事やお金を追いかけているようでは、自分らしい働き方は永遠にできない
20.LIVE SIMPLY (シンプルに生きる!)

 

本書の巻末には、累計250万部を突破した、本田直之氏の21の著作が一覧で紹介されている。このグログで採り上げた著書も数冊ある。

 

道に迷ったり、不安になったりすることがあったら、本書のコトバを思い出してほしい。本書は、自分を信じる力が湧いてくる、そんな珠玉のフレーズが満載だ。シンプルに生きたい全ての人々に本書を心から推薦したい。